4部分:第四章
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点的にか」
「はい、それです」
高宗が人の話を聞く温和な性質であることを見極めたかのように言う。剛毅な気質の太宗とはそこが違うのだ。彼の長所でもあるが時としてそれが短所にもなる。
「それをまずは決めましょう」
「そうだな。それでは」
「それでですが」
彼は高宗が言う前に言ってきた。
「やはり宮中を第一に調べるべきかと」
「この宮中をか」
「そうです。この人形は宮中で見つかりました」
真剣な面持ちで皇帝に進言していた。
「この宮中で。ましてやこの寝台に入られる人間は限られています」
「うむ」
宦官達の言葉に対して頷く。
「そうだな。ここしかないな」
「そうです。ですから」
「この宮中を重点的に調べましょう」
「犯人はおそらく宮中にいます」
「誰かはわかりませんが」
「恐れ多くも陛下を怨んでいる不埒者が」
「許してはおけぬ」
宦官達の言葉を聞いているうちに怒りがこみ上げてきたのだった。温和な高宗であるがやはり怒りはその中に持っているのだ。
「その者。何があってもな」
「では陛下早速」
「取調べを開始します」
彼等は決意を皇帝に見せてみせた。
「すぐに我等宦官の全力を以って」
「不埒者を見つけ出しましょう」
「朕が許可する」
彼にしては珍しく強い言葉であった。
「多少のことは許す。かかれ」
「はっ」
こうして取調べがはじめられた。宮中がくまなく調べられていった。そしてその結果驚くべき場所から驚くべきものが見つかったのだった。
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