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Angel Beats! the after story
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と考えてるってさ。だから、お兄ちゃんに相談してみろよ、お前の今の気持ちを」
義妹にしては少し扱いが危険だけどな。
「本当に卑怯だよ、君は。その話を今持ち出すなんて……」
笑顔が見えるが溢れ落ちる涙は止まっていない。クロ遊佐の気持ちが聞けるなら卑怯だと言われても構わない。
「……た…く……ない。………消えたくない!!もっと、もっと!色んなことを経験したい!折角こうしていられるのに、失うなんてやだよ……」
「それでいいんだよ。見つけよう、クロ……いや、遊佐が消えないで済む方法を」
「ううん。もういいの、もう十分だよ。さっきはあんなこと言ったけど、君の記憶の片隅にでも残ってれば悔いはないよ」
本音ではないにしろ、遊佐は消えたがっていた。
記憶が戻ってからの数々の俺への好戦的な態度はすべて嫌われようと、早くもう一人の遊佐に変わってもらいたいと思わせるが為にとった行動だと今なら分かる。
「楽しかったよ。短い時間だったけど、私にとってはポッカリと空いた穴が埋まったようか貴重な時間だった。
ほんと、運命って意地悪だよね。生前にあんな酷いことがなかったら、君とは出会えなかったんだから。不幸から産まれる幸福って言えばいいのかな?悪くないもんだね、それも」
次々と語られていく遊佐の言葉に耳を傾けることしかできない。
ついに、ゴンドラは最高点に達した。ガラス張りの壁面からは夕焼けに染まった街が一望できた。
「綺麗だな」
「うん、綺麗」
差し込む夕焼けに遊佐の髪は光沢を放ち、神秘的な雰囲気を醸し出していた。もう一度、目に焼きつけようと街を方に顔を向けると頬には柔らかい感触が伝わる。
遊佐は壁面ギリギリに立ち、茜色の光を背に俺と向き合う。俺の頬にすぅーと涙が直線を描く。直感的に感じてしまった。……もうお別れなんだと……。
遊佐の涙も一筋の直線を描きながらこぼれ落ちていく。俺の知ってる遊佐は無表情と偽りの笑顔の二人だった。だけど、今、目の前にいるのは、そのどちらでもなく正真正銘の笑顔を浮かべながら微笑む彼女がいた。
「無表情で、無愛想で、何考えてるか分からないようなもう一人の私だけど、支えてあげてね」
「支えるよ!みんなで支えるよ!!」
嗚咽をこらえながら、必死に言葉を紡ぐ。
「また会えたら嬉しいね………。
─────好きだよ、音無くん」
笑顔でそう言い終わると糸が切れた操り人形のようにその場から崩れ落ちるのをだき抱えて阻止する。
「ん、音無さんですか」
すぐに目を覚ました遊佐。戦線の遊佐だと抑揚のない声音ですぐに分かった。
「そう
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