第20話
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た兵士に中に入れることを許可すると、三人の見た目麗しい女性が姿を現した。
「初めまして袁紹様、孫伯符と申します」
最初に挨拶をしたのは孫策、ややぎこちなく桃色の髪を揺らしながら頭を下げる。
露出度の高い服から覗く褐色の肌が眩しく、女性らしい膨らみがある体型も相まって、相当な色気を醸し出している。
しかし、それよりも気になったのは彼女の目だ。端正な顔に隠されること無く意志の強さが見て取れ、気高い獣のように野生的な魅力が感じられた。
「その補佐、周公瑾と申します。袁紹様のご高名はかねがね……」
続いて挨拶したのは周瑜、ぎこちない孫策とは違い美しい動作で頭を下げた。
こちらの服装も露出度が高く、特に胸元が大きく開いており二つの果実が自己主張している。
長く美しい黒髪から覗かせる端正な顔つきには、高い知性が感じられ彼女の有能さが窺える。
史実においても美周郎と賞賛されるほどに美形であったが、異性だからなのか、袁紹の目にはことさら魅力的な女性に映った。
「そしてわしが孫家家臣、黄公覆こうふくと申す。此度は袁紹殿にお目にかかれて光栄の極み」
最後に挨拶したのは黄蓋、慣れた手つきと言葉で頭を下げる。
始めの二人に比べ、服の露出度も低く落ち着いた雰囲気を醸し出しているが、孫策と周瑜とも比べ物にならない戦力を胸に有しており、孫呉陣営の魅力の高さが窺え―――
「……コホン」
「っ!?」
袁紹が鼻の下を伸ばしかけていると風がそれを止めた。これから彼女達と駆け引きするのだ。
初手で取るに足らない男と、舐められるわけにはいかない。
「風は程cと言うのです〜。そして風の上に居るのが」
『宝ャほうけいだぜ、よろしくな姉ちゃん達!』
「「「……」」」
突然しゃべりだした(?)宝ャに唖然とする三人。その姿に苦笑しながら袁紹は前に出た。
「そして我こそが袁家現当主、袁本初である! お主達の活躍は度々耳にしている。
共に此度の乱を収束させ大陸の平和を取り戻そうではないか! フハハハハハ!!」
「「「……」」」
挨拶と共に豪快な宣言と笑い声を上げる袁紹。そんな彼に孫家の面々は異なる胸中を抱く――
(へぇ……)
孫策が抱いたのは好奇心、言うまでもなく袁紹の名は有名である。幼少の頃から研鑽してきた彼は文武両道として名を馳せていたが――孫策はそれを信じていなかった。
それもそのはず。この時代の名族など自尊心が服を着て歩いてるようなものである。
彼等の多くは幼少の頃から神童ともてはやされ、文武両道を自称する者で溢れかえっている。 実際袁術陣営はその類の者達であったし。例に漏れず愚鈍の集まりであった。
では目の前の袁紹はどうか?
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