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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
ウダイオス
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「…っ! シッ!!」

胸骨内部に浮かぶ魔石を狙って同時に飛んだ。

「グゥッ!?」

「っ!?」

が、そう簡単なことではなく、お留守になっていた左腕が飛び上がっていた俺達を捉えて薙ぎ払う。
咄嗟に刀でガードしたが、空中で踏ん張りが効く筈がなく、ルームの壁に向かって容易く吹っ飛ばされる。

背中から着弾

「ガァッ!?」

肺が押し潰される感覚と共に、空気が吐き出された。

一瞬意識が飛びそうになるが、させじと全身に力を込める
一緒に飛ばされた【剣姫】はっ!と思い、俺から少し離れた場所に目をやった。

壁に着地(、、)していた。

軽やかに、まるで飛ばされた勢いなどなかったかのように。
よく見れば、【剣姫】の体には風が纏われている。
どうやら、飛ばされている最中に、あの風を使って攻撃の威力を殺し、体勢を整え、今の状況に至っているようだ。

なにそれずるい

マジでそう思った

ゴウッ、と【剣姫】を纏う風の勢いが増す。
今から何かをするのは明白。【剣姫】は確実に決めにいくつもりだ。

「ぁんやろぅっ……!」

先に越されてたまるか、と壁に叩きつけられた体を無理矢理動かし、駆ける。
俺の出せる最高速度を!
赤黒く染まり、強化された【物干し竿】を担いで、地を駆ける。
【剣姫】よりも早く。あいつは確実に宙を駆ける。
そうなれば、いくら敏捷に自信があっても勝てるわけがない。

パイルが飛び出すが、時に避け、時に斬り倒して一直線に進む。

狙うのはもちろん胸部の魔石!!

飛び上がって刀に両手を添えた。その直後

「アアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

【剣姫】が空を駆けた

真っ直ぐに、風を纏った少女がサーベルを構えた。
俺に意識を割いていたウダイオスはその攻撃に一瞬、反応が遅れた。
叩き落とそうと大剣を振り上げるが遅いとばかりに【剣姫】はそれを掻い潜る。

そして、サーベルの切っ先が魔石に向いた。



やらせてたまるかぁぁぁぁぁぁっ!!!


「燕返しっ!!!」
「リル・ラファーガッ!!」



三太刀の赤黒い斬撃に風の特攻。
同時に放たれた攻撃は、直後、魔石を砕いた。




ウダイオス、撃破完了


ーーーーーーーーーー




「ったく、何故こんなことに……」

「まぁまぁ、同業者だし、乗せるくらいならいいでしょ?」

「すまないな、助かった」

「……ごめんなさい」

ウダイオスが灰となりあの大剣がドロップアイテムとして残った。
こういう場合、俺と【剣姫】どちらかのものとなるのだが、これは【剣姫】のものとして断ることに。
非常に悔しいことなのだが、あの
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