ウダイオス
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に、【ロキ・ファミリア】の団員に貸しができたと考えるならそれはそれででかいからな」
「抜け目ないのね」
そりゃ冒険者ですからね
「で? そちらさんはこれからどうすんの? もう帰るのか?」
気になったので聞いてみる。『ウダイオス』がもう倒されたのかは分からないが、様子からしてまだ倒していないと見る。まぁ、【ロキ・ファミリア】の団長、副団長にこの三人なら疲労もせずに倒すことも可能かもしれないが。
「私達はもう帰るところよ」
「そうなのか?」
「ええ。……まぁ、アイズの独壇場だったけど」
独壇場、ということは一人で全部やった、と。なら大丈夫だ。『ウダイオス』はまだ倒されていない。
あれの推定Lvは6だ。【剣姫】がLvアップしたという話は聞いていない。
あれをLv5が一人で戦って、疲労が見られないというのは考えられないからな。
「そうだよねー。おまけに、一人で残るとか言っちゃうし。まぁ、リヴェリアが残るから心配はないんだけも」
「……なに?」
ちょっと待て、それは聞き捨てならないぞ。
てことは、こいつ、俺と同じこと考えてたのか?
「式」
「ん? あ、ハーチェスさん。どうしました?」
断りを入れ、三人から離れた俺はハーチェスさんの元へ
「さっき聞いたんだけど、向こうはもう帰るらしいよ。……二人残るみたいだけど」
「らしいですね。俺も聞きました」
「……どうするの? あの【剣姫】も式と同じこと考えてるとしか思えないんだけど……」
「ですね。けど、気を使う必要なんてないでしょ?」
まぁ、そうだけど……と困ったような顔をするハーチェスさん。
別に派閥同士で争うわけではない。
共闘と見せかけて、俺が先行すればいいだけの話だ。
自惚れではないが、俺は【剣姫】よりも『敏捷』がある自信はある。
やがて、【剣姫】と【九魔姫】の二人を残し、【ロキ・ファミリア】の面々が撤収していく。
俺はそれを見計らい、【剣姫】の方に赴いた。
近づいてくる俺に疑問を感じたのか、なんだろうといったようすで首を傾げる【剣姫】
「……なんですか?」
「お前、『ウダイオス』に一人で挑むつもりだろ」
「っ!」
「……なに? 本当か、アイズ」
険しい目付きで、【剣姫】に顔を向けた【九魔姫】
俺の言葉が予想外、というか図星だったのかその感情の起伏が少ない顔に少しだけ動揺が見てとれた。
「……うん」
「はぁ、お前というやつは……」
「そんなことはいい。それより、俺もそのつもりで来たんだ。邪魔するな、とか言わないよな?」
「……できれば、そうしてほしい」
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