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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
51.獰猛なる化物
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という罪悪感が襲う。すると少年が銀色の刀を横に薙ぐ。
次の瞬間、迫り来る業火はまるで不可視の斬撃にでも斬られたかのように真っ二つに分離していく。
その光景に友妃と赤髪は驚愕する。
前者は使えない剣を使えていることに、後者は今までの防げなかったものを防いでいることに。
だが、二人のことなどまるで関係がないかのように少年はただ赤髪の吸血鬼を睨み続ける。
「この程度かよ……十一番目」
「て、テメェ……なぜ知っている」
「さぁな? オレが知っていようとテメェには関係のねぇ話だろうが」
不敵、いや、不気味な笑みを浮かべる少年に一歩後退する。
「どうしたよ? 見掛け倒しか?」
「んだと、テメェ!」
赤髪が怒りを露わにする。それに呼応するように眷獣の角に爆炎がまとわれる。
すると空気中から何かが出現してくる。それは炎が反射して幻想的に輝いている銀色の刃だ。それが闇夜の中に無数に浮いている。
「死ねよ! 吸血鬼──ッ!?」
叫びとともに少年の方を向いた銀色の刃は一斉に降り注いだ。
一つ一つ撃ち落とせるような数ではない。かといって夢幻龍の祝詞で防げるようなものは友妃が知っている限りはない。
銀の刃は音を立てて、少年へと降り注いだ。
彼は避けるどころか夢幻龍を構えようともしない。そしてその初撃が少年の腹部を突き刺さった。あまりの勢いで貫通し地面へと突き刺さる。
舞い上がる砂煙りの中で鮮血が飛び散る。倒れる彼に追い討ちするように無数の銀の刃は貫いていく。
「い……い、や……いや───ッ!?」
友妃は叫ぶことしかできなかった。自分の無力さを恨みながら。
舞い上がった砂煙りの中に倒れる人影。その至る所に何かが刺さっている。
「はははは!? 死んだ、死んだぞ! 見掛け倒しはどっちだよ!」
勝利の笑い。ではなく、恐怖から抜け出たことによる安堵の笑いという感じだ。
呆然と座り込んでいる友妃。今度は自分の番だ。赤髪の吸血鬼は正常な判断でいまは動けていない。
多分、友妃のことも吸血鬼だと思っているか、見られたということで殺しかねない。
戦わなくてはいけない。これでは彼の犠牲が無駄になってしまう。
立ち上がろうとする。しかし、まだ力が入らない。
すると突然、赤髪の笑い声が止まる。そして大きく目を見開いて一点のみを凝視して驚愕の表情を浮かべている。
友妃もそちらへと顔を向ける。
「あ……」
小さく声が漏れた。目頭が熱くなってくる。
奇跡を見た。そこにはいるはずのない人物がなに食わぬ顔で立っている。
「……やはりそんなものか、十一番目」
先ほど目の前でやられた彼がそこにはいた。
「な、なんでだ
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