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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
51.獰猛なる化物
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が彩斗の攻撃に合わせて力を貸しているのだったか。
「つっても先に
攻撃
(
ケンカ
)
ふっかけてきたのはあっちだしよ」
「それでも相手が“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”ってわかってるのに戦うのがおかしいよ!」
「それはお前も一緒だろうが!」
痛いところをついたのか少女はぐぅ、と変な声を漏らした。
「ボ、ボクは、少しなら対抗できる手段があるからいいの!」
「そんなこと言ったら俺だって今はあるわ!」
獅子王機関の少女から
奪った
(
かりた
)
銀色の刀を自慢げに見せつける。
「それって唯里から奪ったやつでしょ!」
先ほどの少女の名前だろうか。あまり否定はできないがこれのおかげで何度もピンチを救ってもらっている。
「なにイチャついてやがんだよ!」
赤髪の男が叫ぶとともにことらへと熱線を飛ばしてくる。それを対処しようと動いた少女だったが上空から再び爆炎が襲いかかってくる。
正面と上方向からの攻撃。どちらも防がなくてはならないが、彩斗に眷獣の攻撃は防ぐことはできない。少女は眷獣の攻撃も熱線もどちらも防ぐことができるが同時には不可能。
ならば……
彩斗は少女の前へと飛び出て銀の刀を上げて上段の構えをする。
動揺したような声を上げた少女だったが瞬時に彩斗の考えを見抜いて上空から飛来する爆炎を睨む。
銀の煌めきが同時に二つの炎を切り裂いた。乾いたような音とともに迫り来る爆炎は跡形もなく消滅した。
「本当に無茶なことばかりするね、君って」
唇を尖らせて少女が言う。
「それはお互い様だろうが」
銀の刀を地面に支えにしながら彩斗は呟く。
そしてほぼ同時に赤髪の吸血鬼を睨みつけた。
「なに調子こいてやがんだよ。吸血鬼風情が───ッ!?」
赤髪を中心に爆発的な魔力が大気へと放出されていく。赤く燃えるように噴きだされる魔力。それは憤怒の色だ。
彩斗たちは呆然とその光景を見続けていた。止めなければならないのに。
筋肉は自らの役目を忘れたかのようにただの塊に変わる。
目の前のそれは獰猛な笑みを浮かべて、こちらを睨みつけた。
それとほぼ同時だった。彩斗の真正面から業火が襲ってくる。真正面からの攻撃。通常の状態ならば普通に回避できたのかもしれない。いや、それも無理だっただろう。
大きさが桁外れに違いすぎた。あれは眷獣が放った一撃だろうか。そういえば、眷獣はどこへ行ったのだろう。ここから全魔力を注いで刀を振り下ろせば回避できるだろう。少女の刀なら回避できるはずだ。
脳は思考を続ける。しかしそのどれもが不可能のような気がしてくる。そして彩斗の脳はその機能を停止させる。
「あぶないッ!」
その声が響いた時には彩斗の体は地面に倒されていた
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