召喚
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「あれ?ここは・・・」
辺り一面の廃墟。彼はなぜ自分がここにいるのか全く理解が出来なかった。思い出そうにも夜遅くに友人とベロンベロンになるまで酒を飲んでいるところまでは記憶がある。そこからは記憶がない。そして、一つの結論を出した。
(これは・・・、夢だ!)
記憶がない上に見覚えのない場所にいるという現状は彼の知る限り、何者かに拉致されたとしか思いつかない。だが辺りに人がいない。使えないとかだと殺処分。生きて拘束されていないことは拉致されているということはないと判断したのだ。だが、そんな結論は一瞬にして崩れ去った。
「!?」
彼の頬に銃弾が掠った。痛みが走り、頬を押さえる。押さえた手を見ると、血が出ていることが分かった。生温かい感触が感じられる。それでも夢だと思い、銃弾が飛んできた方向とは逆に走り出した。
(た、たまにあるあれだよな?寝ているときになにか刺激を受けると、夢でも似たようなことが起きて、まるで本当にそれが起きているかのように感じるあれだよな?)
もうどこでもいい、そう言わんばかりに走り続けた。学生時代の持久走ならもうすでにばているだろうが、今はそんなこと気にしていられない、止まれば死ぬ。そのことだけで他のことは考えられなかった。
(これは夢!これは夢!!)
意味のないことだとも分かりながら、心の中で暗示をかけていた。もう気が気でない。
「なんで逃げているのよ!せっかく召喚したんだから逃げないでよ!」
突如、後ろから羽を生やした少女が追いかけてきた。いつもなら幻覚か何かだと思うが、今はそんなことに気が回らなかった。
「逃げるなって言われても、今逃げないでどうするって言うんだよ!?」
「とにかく、反対方向に向かうわよ」
「はあ!?ふざけるな!あっちは銃弾とかぶっ放している場所じゃないか!行ったら死んじまう」
「ダメよ!みんな待っているんだから」
シャツの襟をつかみ、彼を引きずりながら銃弾の飛んできた方向へと向かっていった。
「うきき・・・。ねえ、ロレーヌ?イザナミいつなったら戻ってくるかな?もう敵多すぎて疲れたよ〜」
「吉乃よしの・・・。いい加減にしてください。いくらイザナミが“ラストサマナー”を召喚したと言えど、私たちが強くならなくては意味はありません。確かに数は多いですが、これはむしろ強くなるチャンスだと考えれば!」
和服のようなものを動きやすくしたような服装の少女はマントを身にまとった少女にもたれかかり、なおも動こうとせず、もう動けないアピールをなおも続けている。
「ロレーヌの言う通りだよ、吉乃。頑張ったらご馳走作ってあげるよ」
「ホント!?うきき!さあビシバシ敵を倒すよ!」
コショウのミルのような杖を片手にした少女は吉乃のやる気を食べ物で奮い立たせた。
「それは良いけどサン、コ
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