第一章 僕と進級と試召戦争
第一話
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「そう言えばここ、見学の時に見に来たな…」
3階に上がると、まず目に付くのはAクラス。
中を覗くとまだホームルームは始まっていなかったようで、生徒たちが忙しそうに準備をしている。
やっぱりAクラスの設備は凄まじいな…ここだけでいくら掛かっているんだ…?
巨大プラズマディスプレイだけでも相当な値段だろうに、ノートパソコン、個人エアコン、冷蔵庫、リクライニングシートまで完備されているらしい。
ここだけ見れば、どこかの高級ホテルと見紛うほどだ。
「………おい、他のクラスの男がここで何をしてるんだ…です?」
「うわっ!?」
唐突に後ろから話し掛けられ、思わず振り向く。
短めの髪に、中性的な顔立ち。見た目だけでは男子のように見えるが、声の質からして女子なのだろう。
「覗きとは良い趣味してんじゃ…していますね」
…今言い直したよね?
してんじゃねえか!っていうところを抑え込んだよね?
まずい。あんまり関わらない方がいいのかも知れない。
「誤解させてしまったなら申し訳ない。僕はただ自分のクラスを探していただけだよ。」
「コホン…誤解だったのなら失礼しました。私は根崎寧々、あなたは?」
「僕は久保良光。よろしく。」
取り敢えず挨拶を交わす。…さっきのは気のせいだったのか?
「あなたは…どのクラスの人か知らないけど、そろそろホームルームが始まる時間…急いだ方が良いと思いますよ」
「ああ、ありがとう。それじゃあまた。」
なんだかこの人とはまたいつか縁がある気がする。
できればそれが気のせいであって欲しい…僕は普通の学園生活を送りたいのだから。
僕は少し急ぎ気味に廊下を進んで行った
二年F組と書かれたプレートのある教室の扉の前に立ち、少し扉の様子を見る。
去年からずっと思っていたけど…修理とかはしないのか?今にも壊れそうでとてつもなく不安なんだが。
不安を押し殺し、扉を開ける。バキィッ!という音が響いた気がするのは気のせいであって欲しい。
「………お前もFか、久保」
高い身長の赤茶けた髪をした男が、僕にやれやれといった表情を向けている。
彼は赤崎真一。僕の友人の一人だ。
「えっ、嘘お!?久保くん!?」
そして机の上で変身のようなポーズを決めている少女もこちらを向く。彼女は荻原千春。一応、僕の友人としておこう。
彼女は…とにかくバカだ。去年の吉井先輩にも匹敵するレベルじゃないのか、なんて噂は耐える事はない。
「真一…なぜ君が?荻原さんは合点が行くけど…」
「待って久保くん、それって私がバカだって言いたいの?」
そうだと去年から何度も言
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