水竜・・・散る
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その頃、天狼島付近の評議院の戦艦にて・・・第三者side
「よし、全員無事だな?負傷者の手当てを急げ。設備の修復は、後回しでいい」
そういって指示を出していたのは、ニルヴァーナの時にシリルたちの前に現れた、新生評議院第四強行検束部隊隊長、ラハール。
「これより島へ乗り込む。戦闘準備ができた者は・・・」
ラハールたちが島に乗り込もうとしていると、その前に一人の男が瞬間移動で現れる。
「ドランバルト!!」
ラハールの前に現れたのは、妖精の尻尾に潜入していたメスト、本名、ドランバルトだった。
「お前ともあろうものが、そのケガはどうした?」
「俺は大丈夫だ。船への被害は?」
ドランバルトは立ち上がり、ラハールに質問する。
「大丈夫・・・とは言いがたいが、幸い死者は出ていない」
「通信用魔水晶は無事か?」
「なんとか・・・一体島で何があった?」
ドランバルトはキズを負った脇腹を押さえながら答える。
「妖精の尻尾、悪魔の心臓、黒魔導士ゼレフ。島では三つ巴の戦いが始まった。」
ドランバルトとラハールは、天狼島に視線を移す。
「先程の船への攻撃は、悪魔の心臓によるものだ」
その言葉にラハールは唖然とする。
「通信用魔水晶を借りる。この事を本部に通達しねーと!」
ドランバルトは本部に連絡するために通信用魔水晶へと歩き出す。
その後ろでラハールは震えていた。
「し・・・信じられん・・・魔法界の目の上のたんこぶが、3つも同じ場所に集結している!?
それは一体、どれ程の確率が生んだ偶然なのか・・・」
ラハールは額から大量の汗をかきている。
「議長グラン・ドマは厳格ゆえに悪しき者への断罪を躊躇されぬお方・・・“封印されし光の一撃”が、再び落とされるというのか・・・」
「エーテリオンだと!?」
ドランバルトは通信用魔水晶に向かう足を止め、ラハールの方へ振り向く。
「我々は上層部の決定に従う他、道はないのだけどね」
「ま、待て!!確かに評議院は妖精の尻尾を目の敵にしているが、ゼレフやグリモアと同列にすべきじゃねぇ!!」
ドランバルトはラハールにそう怒鳴ったが、ラハールは顔をうつ向かせたままそれに返す。
「それを決めるのは、私たちではない」
「・・・・・」
ドランバルトはこの時、自分のパートナーとして天狼島に連れてきた少女のことを思い出していた。
「さぁ、早く本部に連絡を」
ラハールのその言葉に対し、ドランバルトはたた突っ立っていることしかできなかった。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ