第8話「ソンナ強ク美シイモノニ私ハナリタイ」
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す高飛車な笑い声。
その方に目を向けると、なんとそこには消えたはずの道満の姿があった。
「ど、道満!?なっなんでてめーが生きてんだァァ!!てめーは……」
「届いたのだろう。みんなの想いが」
「ええ。道満さんを助けたいという想いが、彼から闇を吹き払ったんです」
「みんなの想い。しっかり道満も受け止めたアル」
度肝を抜かれる銀時の隣で双葉が妙に澄ました表情で言い、身支度を整えた新八と神楽が二人に歩み寄る。
一方で復活した道満は、さっそうに晴明と見栄を張り合っていた。
「借りた借りは必ず返すが巳厘野のやり方だ。者ども、奴らを盛大に見送ってやれ!」
「甘いな道満。見よ、結野の華麗なる見送りを!貴様ら外全の者どもとの違い思い知れェェ!!」
「晴明ィィィ!おのれェェェ貴様には負けぬぞォ!見よ!!超絶華麗なる俺の美技を!!」
「かたはらいたいわ道満ンン!見よ!!超絶スーパーハイパー華麗なるわしの美技を!!」
道満が七色のオーロラを振りかざすと塀に立つ晴明が金色の不死鳥を舞い踊らせ、それに負けじとまたも道満は無数の妖怪を呼びだして、対する晴明も光輝くキツネやら火の玉やらを呼び出し、続いて道満は―以下略―と小学生みたいな喧嘩を繰り返す二人。
仲が良いんだか悪いんだか分からないご近所トラブルに、銀時は口元を引きつらせながら双葉に聞く。
「オイ……アイツら。アレ、ホントに仲直りできたのか?」
「知らん。だがアイツらは、きっとあれでいいんだろ」
興味なさげに双葉が言うと、銀時はフッと笑って再び門に背を向ける。
「行くか。たく、きれいな百鬼夜行だなコノヤロー」
無数の妖怪たちが舞い踊り、鬼達の提灯が照らす道を銀時達は歩き出した。
帰っていく万事屋一行を、晴明と道満と共に見送る外道丸と結野アナ。
新しい主はどこまでも無鉄砲でバカな侍だった。
けれど決して潰れない魂を持ち、かけがえのない友達を助けてくれた。
「クリステル様。あっしは決して忘れないでござんす。あっしの大切なもう一人の主を」
「ええ。私もよ」
大きく頷いて、結野アナは笑顔を贈った。
江戸の雨雲を振り払ってくれた銀髪の侍に。
心の暗雲を吹き飛ばしてくれた銀髪の女性に。
「ありがとう、雨宿り兄妹さん」
* * *
帰り道。
どこまでも続く百鬼夜行を歩く中で、ふと、双葉は振り返る。
「どうした双葉?」
急に立ち止まった妹に気づいた銀時が声をかけると、双葉は物憂げに呟いた。
「なぁ兄者」
「ん?」
「アイツラは袂を分かっても、また同じ道を歩むことができたんだな」
「そうさな……」
銀時はそれ以上何も言わない。
双葉も何も言わない。ただ、もう豆粒ほどの大きさしかない結
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