ウダイオス!……のその前に
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て俯くアイズに、一歩離れて見ていたリヴェリアは息をついた。
フィンに向き直って口を開く。
「フィン、私からも頼もう。アイズの意思を尊重してやってくれ」
「「リヴェリア!?」」
「ンー……?」
「この子が滅多に言わない我がままだ。聞き入れてやってほしい」
「そんな、子を見守る親みたいな気持ちじゃ動けないよ、リヴェリア。ティオナ達の言っていることの方がもっともだ。パーティを預かっている身としては、許可できないな」
「甘やかしている自覚はあるが……さて」
二階の吐息をついたリヴェリアはアイズに視線を送る。
感情の起伏が少ない少女の申し訳なさそうな目を見て、今度は自嘲。
それから再びフィンに目を合わせた
「私も残ろう」
サポートを担う、とその意図を伝えるリヴェリア。
その瞳を覗き込むフィンは、顎に手を添えた後、ゆっくりともったいぶるように頷いた
「わかった、許可しよう」
「えあえ〜、フィン〜。説得してよ〜」
「リヴェリアが残るなら万が一にも間違いは起こらないだろうしね。逆に僕たの方が、帰りの道で危険な目に…………ん?」
「? どうかしましたか? 団長」
「シッ、静かに」
話しかけようとしたティオネを手で制し、耳に手を当てるフィン。
当然の行動にどうしたのかと反応を見せるメンバーだったが、少しするとその意味を知ることになる。
『ーーーーォオオーーーー』
「あれは……」
「ミノタウロス……じゃないよね? こんなところに出るわけないし……」
視線を送った先にあるのは三十六階層はと続く通路。
「みんな、念のために戦闘準備」
団長の指示に従い、各々が武器を構えた。
そして、徐々に近づく鳴き声。
そして、姿を現したそれに、驚くことになる。
二頭の巨大な牛と
それに引かれた戦車の上で手綱を握る青年の姿に
『ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
「さぁ! 到着! 三十七階層ぉ!」
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