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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
11.剣の姫が掴むもの
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は学問として継承されているとは聞いたが、正直ここまでの使い手がいるとは思わなかったよ……お疲れ様」
「え、あ……ありがとう、ございます」

 褒められ慣れていないのか、おどおどしながらも不器用に頭を下げるアニエスに、レフィーヤを筆頭に魔法使い達が集まった。彼女たちはすっかりアニエスに興味津々だ。

「ねえねえ!さっきまで使ってた魔法なんていうの!?」
「あ、あれは白魔法系統の初歩で『ケアル』といいます。私も巫女になるために基礎魔法くらいは修めたので……」
「あんなに継続できたのって何か秘密が!?」
「ええ、っと。それはクリスタルに祈りを奉げているうちに、体内の力の循環のようなものを感覚的に理解できるようになったので……あとはペース配分さえ考えれば」
「最初にケアルとは違う魔法使ってたよね?」
「巫女ってみんなこんな風に魔法できるの?」
「『学術魔法』の魔導書はオラリオでは出回っていないのだ!是非情報を!!」
「え?え?ちょ、ちょっと皆さん……!?」

 今まではロキの客としか聞かされてなかった彼女が突然少年の治療を申し出た時は不思議に思ったが、まさかこれほど高度な魔法治療を行えるとはその場の誰もが予想外だった。質問攻めに困ったアニエスを見かねたロキが助け船を寄越す。

「あー……ちょい注目!!ここ一応病室やから静かにしような?それと、話するならアニエスちゃんをいったん休ませてから、別のテントで一人ずつ順番に質問しぃや。アニエスちゃん困っとるで?」
「あっ………ご、ごめんなさい!」
「疲れてるだろうに押しかけちゃってごめんね?」
「い、いえいいのです別に。質問にもお答えしますから、そんなに沈まないで……」

 結局その後アニエスはこの人懐こい集団の質問責めに見事答えきり、ぐったりと疲れ果てることになった。神殿の外にほとんど出たことがないアニエスは「ファミリアとは皆こうなのでしょうか」と先が不安になったが……同時に初めて外の人々とまともに話をしたことで、ほんの少しだけ心の孤独が和らいだ。


その頃、アニエスを囲う集団とは別に、聞き覚えのない言葉についてリヴィエアに質問するメンバーがいた。ずっと落ち込み気味だったアイズだ。

「学術魔法って………何?先天性魔法や後天性魔法とは、違うの?」
「ああ、全く違うと言ってもいいな。アイズも魔法の基礎は教えたことが、ちゃんと覚えているか?」

 アイズもまた攻撃用の強力な魔法を行使できるため、魔法知識の基礎くらいは持っている。
 まず、魔法には先ほども挙った「先天性魔法」と「後天性魔法」が存在する。

 先天性魔法は種族や血統、固体の性質などで現れる、文字通り先天性の素養。
 対して後天性魔法は、神の恩恵や魔導書によって得られる後天的な素養。
 人によって
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