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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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素振りをしていた。

ハワードは。

ここで初めて、混乱して益体もつかないことばかり吐き続ける脳が唐突に、何かを悟ったように一つの結論を弾き出すのが分かった。

目の前のモノには、勝てない。

吠える。

吼える。

咆える。

ノドが張り裂けんばかりに絶叫し、愛銃の引き金を壊さんばかりに引き、彼は眼前の《捕食者》に向かって突進した。

何かを考えていたわけではない。

何かを思っていたわけではない。

ただ――――ただ。

奇声を叫びながら突進してくる男を前に、ユウキという名の少女は臆すことも怯えることもなかった。

半歩。

ジリッ、と右足を半歩だけ前に出し、次の瞬間。

暴風の嵐が目を鼻の先で放たれた。

ステアーのあぎとから放たれた凶弾の嵐は、それを上回る剣戟の竜巻でたった一弾残ることなく宙空で撃墜された。熱エネルギーの塊であるレーザーブレードに呑み込まれたため、後に残ったのは気化した鉛の残り香のみだった。

目を見張るハワードに対し、少女はありえないほど冷静で淡白な光をアメジストのような瞳に宿し、さらに突進してくる男に対しさらに大きく一歩踏み込んだ。

小柄な体躯から放たれたとは思えない裂帛の踏みつけ(ストンプ)特有のサウンドエフェクトとともに、柔らかい泥の地面が少なくない規模で陥没したのを感じる。

そこまで知覚したと同時、男の視覚と聴覚野は唐突に途絶することとなる。

最後に見た光景。

跳ね上がってくる紫の閃光を残滓のように網膜に焼き付けながら。
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