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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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僅か十秒にも満たない時間の中で済ませたハワードは、続いて地形の再確認に移った。

カロロ……クル、キャーギャー。

背景小物(クリッター)の奏でる静かだが騒々しいBGMを背景にし、再度首を巡らせた男が確認した地形情報はあまり多いとは言えなかった。

基本的に起伏はないに等しい。だが、垂れ下がるツタやら葉っぱやら足元を覆う草やらでひたすら視界が狭まっている。先刻は気付かなかったが、地面は軽く湿地のようになっていて、水分が多く含んで泥のようになっている。しかも、全部が全部泥になっている訳ではなく、しっかりとしたステージ基部の上に柔らかい泥が薄くコーティングされているような状態だ。

激しい弾幕戦になった際の転倒(スタン)確率が高そうだ、と結論を下したハワードは、次の瞬間右後方五時の方向から響いてきた妙なサウンドエフェクトを聞いた。

ばしゅっ、というか、ぼしゅん、というか。

まるで水が一瞬にして沸騰し、水蒸気爆発でも起こしたかのようなくぐもった破裂音に、全神経を研ぎ澄ませていた彼は弾かれたように反応した。

即座に音源の方向に身体を地面に張り付けたまま回転させ、懐から取り出したゴツい軍用スコープを片目に押し当てた。

ジャングル戦において、普通のスコープはむしろ邪魔だ。ただでさえ狭い視界をズームしても、利かないものは利かないのだ。よって彼の持つスコープは熱源感知(サーモグラフィー)機能を搭載しており、プレイヤーの姿だけを見つけることができる仕様になっている。

まさかワニとかヘビとかはいないだろうな、と思いつつ視線をレンズ内に集中させると、予想を斜め上の光景が飛び込んできた。

何だあれ、と。

あんぐりと開いた口から漏れ出た言葉に、もちろん答える者はこの場にはいない。

スコープに映ったもの、それは言うなれば《球》だった。

通常、サーモグラフィーでの温度の色表現は下から黒、青、緑、オレンジ、赤、黄色、白と表される。

基本温度が低い植物たちの緑の地獄の中、レンズ内に浮かび上がったのは真っ白な球体。

極めて高温の物体が先刻音が聞こえた方向に存在していたのだ。

しかも恐ろしいことに、その物体の直径はじりじりと大きくなっている。

つまり、近づいているのだ。

拡大率から察するに移動速度は遅いが、それでも不可解を通り越してかなり不気味だということに変わりはない。そもそも、このステージに与えられたランダムイベント的な効果なのか、対戦相手の起こした事象なのかも解からないのだ。

前者ならば下手に銃撃音を響かせ対戦相手である《ユウキ》に、余計な現在位置(じょうほう)を与えてしまう。後者ならば願ってもないが、それにしても何をしているのかを確認する必要がある、

結果、男がとった行動は、多
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