六十三話:最恐の骸殻能力者
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常なまでの腕力でイッセーを持ち上げ天高く吹き飛ばすビズリー。
イッセーは為すすべなく地面に叩きつけられるがすぐに口元の血を拭って立ち上がる。
アーシアが心配そうに治療を始めるがイッセーは自身の目を一時たりともビズリーから逸らさない。
ビズリーはそのことに軽い感嘆の念を抱くがそれはすぐに中断せざるを得なくなる。
炎をその身に纏ったルドガーがかつて“ミラ達”が握った剣を携え一直線に斬りこんで来ていたからだ。
「始まりの力、手の内に―――」
一太刀切り裂き、炎の羽が消えぬうちに剣を振り上げ巨大な水柱を創り出す。
「我が導となりこじ開けろ―――」
そして、風の刃を飛ばしビズリーを再び切り裂く。次に鋭利で巨大な岩石を雨のように降らせ押しつぶそうとする。
止めは地水火風全ての属性による魔法陣を作り上げそこから同時に巨大な魔弾を降り注がせる精霊の主から借りし秘奥義―――
「スプリームエレメンツ!」
ビズリーを中心にして眩い光を放つ大爆発が起き、その中に姿を消していく。
だが、ルドガーはこの程度でビズリーが終わるとは思ってなどいない。
その証拠に煙が晴れた先には何事もなかったように悠然と佇む姿が見えた。
「精霊の技すらお前の物としたか、ルドガー」
「俺は真似をしているだけだ」
「ふ、真似事だけでこの私が倒せるとでも?」
不敵に笑いファイティングポーズをとるビズリーにルドガーは黙って構え直す。
正直の所、このままではジリ貧だろう。ビズリーが時歪の因子化するまで時間を稼ぐという手もあるにはあるが、そこまで悠長に相手が時間を与えてくれるとは到底思えない。
こちらから、仕掛ける以外に道は無いだろう。
だが、仕掛けても勝てる確率は絶望的なまでに低いことは明らかだ。
それでも諦めるわけにはいかない。そう改めて決意した時だった―――
「我、助けに来た」
それは小さな少女の声だった。小さいが紛れもなく世界最強の一角を担っていた存在。
オーフィスがそこにはいた。
「オーフィス、何でここに!? 今のお前は力が出せないんだ、早く戻れ!」
「分かってる。だから―――助っ人連れて来た」
その場にいる者全員に影がさす。この荒野に雲など存在しない。
あり得ない現象に全員が空を見上げて見るとそこには赫いドラゴンがいた。
空を覆うかのような巨体にどこまでも赫い鱗。無限と対をなす、存在しえぬ夢幻。
ドラゴン・オブ・ドラゴン―――グレートレッド。
もう一つの超上存在がそこにいた。
「これが……グレートレッド。私の目標……」
「助っ人? 世界最強の存在が?」
ヴァーリは自身の目標が現れた事に戦闘中である事も忘れ見入り、
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