六十三話:最恐の骸殻能力者
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皇の力である半減が働く。そう確信したヴァーリは一気に攻めに転じる。
頭部を刈り取るように空で回転して強烈なかかと落としを決める。
しかし―――
「残念だったな、白龍皇」
「うそ……半減が効いていない!?」
ビズリーは僅かにのけぞるものの、その攻撃にあっさりと耐えてみせた。
ヴァーリはそこで気づいた。半減が無効化された理由を。
半減の力は神格クラスではうまく機能しない。だが、人間はどこまでいっても人間なのだ。
神を殺す神滅具の持ち主であっても所詮器は人間で半減の対象にはなるのだ。
だというのに、ビズリーにはうまく機能しないどころか一切機能しなかった。
だがそれは彼の扱う力をよくよく考えれば簡単だった。
「“無限”と“無”をどうやって半減するつもりだ?」
「あぁぁあああっ!?」
白銀の鎧を軽々と砕き腹部に突き刺さる拳の痛みに絶叫しながらヴァーリは地面を転がっていく。
慌ててアーシアが駆け寄り治療を施したことですぐに立ち上がることに成功はしたが彼女の心にはあの拳が焼き付いていた。
ただの一撃で命を刈り取る死神の鎌の様な拳。
こちらの攻撃は通らないにも関わらずにあちらの攻撃は殆どが即死級という理不尽。
ハッキリ言ってこれがゲームならクソゲーと言って投げ捨てていただろう。
だが、ここは現実。逃げ出すことも、放り出すことも出来ない。
それにこの絶望的な状況においても―――諦めない者はいる。
「これでも喰らえぇぇえええっ!」
「ぬっ、赤龍帝か!」
先程吹き飛ばされていたイッセーが戻ってきて再びビズリーに殴りかかったのである。
先程は毛ほども効かなかった攻撃であるが故にビズリーは避ける事もせずにそれを受け止めたがすぐに違いに気づく。
腹部に繰り出されたアッパーカットが自身の体を僅かではあるが持ち上げたのである。
そのことに僅かに驚くが、よくよく考えれば時間を置けば倍加の力で先程よりもパワーが上がるのは不思議ではないと切り替え、すぐに殴りかかる。
赤い鎧が砕け、破片が飛び散るがイッセーは踏ん張りを効かせその場に踏みとどまる。
そして決死の雄叫びを上げながら拳を振り回す。
「絶対に引かねえっ!」
「無駄なあがきを…っ!」
いくら先程よりもパワーが上がったと言ってもビズリーにとっては大した変化ではない。
攻撃を受けながらカウンターを返していく。その度に鎧が砕け皮膚からも赤が飛び散っていく。
だが、それでもイッセーは引かずに殴り合いを続ける。
その執念についにビズリーが根負けをする……といったこともなく容赦のない攻撃を与え続けていく。
「ぬおりゃあああっ!」
「ガハ…ッ!?」
腹部に拳を突き刺しそのまま異
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