六十三話:最恐の骸殻能力者
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小猫も姉にならうように同じように、白色の炎の弾幕を撃ちだす。まるで辺りに青と白のカーテンが引かれたかのような光景にもビズリーは怯むことなく拳を構え―――
「怒号犀!」
拳の一撃で弾幕の半数以上を軽々と打ち消した。
ビズリーはそのまま攻撃を仕掛けてきた黒歌と小猫の元に行こうとするが弾幕のすぐ後ろに着いてきていた者達に気づき軽く舌打ちをする。
その者達とはアーサーと祐斗である。
彼等は弾幕を目眩ましに距離を詰めていたのである。
二人同時に多彩な剣技で攻めたてる。
さしものビズリーもこれには前に進み出ることが出来ずにガードに徹する。
だが、二人の猛攻も長くは続かない。すぐに剣技を見切り二人の剣をわしづかみにする。
そして、人間をやめた握力で祐斗の剣を跡形もなく砕く。
流石にコールブランドを砕くことは出来なかったが逆にそれを利用して剣ごとアーサーを地面に叩きつける。
「くっ!?」
「お兄様!」
「全てを無に返してやろう―――烈醒拳!」
すぐに体勢を立て直し逃げようとするアーサーだったがビズリーの光を放つ拳の方が一瞬速くアーサーに到着する―――
「ソード・バース!」
その一瞬を祐斗が大量の魔剣をビズリーの拳の前に創り出すことで引き延ばした。
ビズリーの拳はまるで紙でも貫いているかのように魔剣を砕いていくがアーサーが逃げる時間を作るには十分だった。
拳は魔剣を貫き、何もない地面にぶつかるがそこを中心にして巨大なクレーターが生み出される。
「助かりました」
「こっちはチーム戦だから当然だよ。それよりも……」
「ええ、テクニックを嘲笑うかのような圧倒的なパワーと防御力……正直に言って勝てるヴィジョンが浮かびません」
素直な感想がそれだった。今まで数多くの強者と戦ってきた二人だったがビズリーは別格だ。
己の肉体一つで戦う彼だがその実、彼の肉体はそれ一つで“戦争”に勝てるだろう。
どんな強者であっても個では多には勝てない。
そんな当たり前にして絶対の真実を彼は平然と破ってしまった。
そう感じてしまうほどに彼は個として完成されていた。
「勝てるヴィジョンが見えないのなら―――作ればいいじゃない」
「来るか、白龍皇」
白銀の輝きが辺りを照らしだす。ヴァーリとビズリーが相対する。
そして、僅かの時間もおかずにぶつかり合う。
―――荒野に煌めく白銀。
―――全てを飲み込む漆黒。
白と黒の戦いはまるで演武のように行われる。
白は目にも留まらぬ高速の連打を繰り出し、黒は全てを一撃で葬り去る重い拳を繰り出す。
呼吸をすることすら忘れるようなせめぎ合いだったが、ヴァーリの拳がビズリーに触れた瞬間に転機が訪れる。
白龍
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