六十三話:最恐の骸殻能力者
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立つ力だとでも言うのですかっ!」
―――最強。
そうとしか言い表せないような姿にゼノヴィアが額から冷たい汗を流し、ギャスパーは突き刺さるような威圧感に身を震わせる。
アーサーも普段の冷静さを忘れ、声を荒げる。
それほどまでにビズリーの姿は異常だった。常人であれば巨大すぎる力に飲み込まれてしまうだろう。
だが、彼の強すぎるまでに強い意志と肉体は軽々とその力を扱う。
「どうした? ゴングは既になっているぞ」
「来るぞ、みんな!」
ルドガーが叫び声を上げ注意を促す。今回の戦いでルドガーは骸殻を使うことが出来ない。
時歪の因子化の進んだ今、骸殻を使用すればどうなるかは既にヴィクトルが証明している。
故に使わずに正史世界の最強の骸殻能力者、いや―――最恐の骸殻能力者に勝たなければならないのだ。
その事実に軽い絶望感を感じながらルドガーはビズリーを見る。
―――黒い閃光。
ルドガーはビズリーの突撃に対してそう思う事しか出来なかった。
反射で何とか防ぐことは出来たが今度は大剣ごと吹き飛ばされてしまう。
「ルドガー!」
「よそ見している暇があるのか?」
「くそっ!」
吹き飛ばされたルドガーの方に向かおうとしたイッセーだったがビズリーに立ち塞がられてしまう。
悪態をつきながら禁手状態の拳で顔面に殴りかかる。
同時にゼノヴィアが背後からデュランダルと借り受けたアスカロンで胴体に斬りかかる。並大抵の相手であれば必殺の技だ。
だが―――
「それがパンチか? いい機会だ。パンチの仕方を教えてやろう」
ビズリーはそれを受けてもびくともしない。
あり得ない、と驚愕の表情を浮かべる二人を無視して彼はまず、軽くイッセーの腹部に拳を叩き込む。
ミシリと鎧が歪む音と共にイッセーはボールのように吹き飛んで行く。
「イッセー!」
「次はお前の番だ」
「あうっ!?」
イッセーが為す術なく吹き飛ばされたことに怒りの叫びを上げるゼノヴィアだったが素早く打ち出された裏拳で同じように吹き飛ばされてしまう。
ビズリーはそのまま間髪を入れずに拳から炎の塊を飛ばし、遠距離から攻撃をしていた朱乃とルフェイに攻撃をしかけてくる。
その攻撃は間に入ってきた美候により打ち消されたがビズリーの猛攻はまだ止まらない。
「せいっ!」
気合いの声と共にビズリーが地面を殴るとそこから先が真っ二つに割れ地面が抉り取られる。
そして、割れ目は真っ直ぐに突き進みながら黒歌と小猫の元に向かっていく。
完全に常軌を逸した攻撃にも黒歌は冷静に避け、背中の魔方陣から青白いエネルギーの弾幕を撃ちだす。
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