第一章
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イタリア男
ロレンツォ=デル=ザンガリーノはイタリアのフィレンツェに生まれて大学まで進みだ。大学で日本文学を研究していたこともあり。
日本に留学した、顔立ちは明るく黒に近いダークブラウンの髪を上品に整えていてだった。明るく大きな黒い目でだった。
鼻が高くだ、彫も深い。細い唇はいつも微笑んでいる感じで背は一七六程ですらりとしている。その彼にだ。
日本人達は笑ってだ、こう尋ねるのだった。
「あの、イタリア人ってやっぱり」
「オペラとか好き?」
「パスタも」
「そうなのかな」
「はい、どちらも好きです」
その通りだとだ、ザンカリーノも答える。
「クラシック以外も聴きますが」
「やっぱりそうなんだ」
「イタリア人だからオペラ好きなんだ」
「やっぱりオペラの本場だから」
「それでなんだ」
「そうです、それとパスタもピザも他のイタリア料理も」
ザンカリーノはこの問いにも答えた。
「好きです、魚介類もチーズも」
「そうなんだね、イタリア人はやっぱり」
「パスタ好きなんだ」
「ピザも」
「食事にワインは欠かせません」
ザンカリーノはこのことは自分から話した。
「日本は水が良質なのでそちらを多く飲んでいますが、ただ」
「ただ?」
「ただっていうと」
「日本のナポリタンというスパゲティですが」
このスパゲティについてはだ。ザンカリーノは共に学ぶ日本の学生達に対していささか不思議そうな顔になって話した。
「あれはイタリアにはありません」
「ああ、そうみたいだね」
「あのスパゲティは実はナポリにはなくて」
「日本オリジナルらしいね」
「はい、ですが美味しいです」
イタリアにはなくともというのだ。
「食べて驚きました、あれは非常に美味しいですね」
「そうなんだね、ザンカリーノさんからしても」
「ナポリタンって美味しいんだ」
「そうなんだね」
「そうです」
ナポリタンについてにこりと笑って話したのだった、その彼に。
日本の学生は悪気なくだ、このことも尋ねた。
「それでイタリアの人って」
「皆サッカー好きで」
「それで女の子が好きなのかな」
「誰でも声をかけるのかな」
「いや、それは」
この二つの質問にはだ、ザンカリーノは戸惑い。
そしてだ、こう言うのだった。
「まずサッカーですが」
「イタリアサッカー凄く強いよね」
「ワールドカップで優勝したこともあるし」
「日本なんかと比べたらね」
「全然違うよね」
「確かにイタリアではサッカーは盛んですが」
そして強いこともだ、ザンカリーノは認めた。
しかしだ、それでもと言うのだった。
「ですが私はサッカーはあまりしません」
「あっ、そうなんだ」
「ザ
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