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英雄は誰がために立つ
Life7 特訓、開始!
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もらえますか?総督閣下殿」
 「まぁ、別にかまわねぇが・・・?」

 アザゼルはこの時、何やら腑に落ちないような微妙な表情をした。自分が士郎に対して『先生』と呼ぶことの意趣返しとしてやってきている、士郎の『総督閣下殿』呼ばわりにでは無い。

 「だけど士郎、それが何だって言うの?」
 「解らないのか?あくまで様々な条件も付くだろうが、アーシアの視力内までで体調が変化している眷属に対して、もしアーシアの近くにリアスがいれば情報を直接伝えるなりして、離れた距離からアーシアの回復能力の戦略幅が大きく広がるじゃないか?」
 「あっ、そうか!」

 リアスの気づく声を皮切りに、他の眷属たちも気づき始めた。
 そしてアザゼルは、先ほどの腑に落ちない感を一度置いといて、クククと笑いながら士郎を不敵な笑みで見る。

 「なるほどなるほど。やっぱりなかなか面白い観察眼をしてるんじゃねぇか?」
 「そうは言いましても仮定の話ですし、もしかすれば公になっていないだけで、レーティングゲームのプロは少なからず知っているかもしれませんよ?俺の様な若輩が思いついた考察ですからね」

 皮肉気に、しかし確実に賛辞を贈るアザゼルに対して、謙遜に受け答える士郎。
 そんな士郎に対して、リアスは改めて幼馴染の凄さを理解した。

 (多くの経験を踏まえた上での観察眼と言うのは、此処まで凄いの?)

 驚きを隠せないリアスだが、士郎も深い観察力を発揮したわけでもないし、この程度の観察眼を持った者なら人間と人外の差別なく、ごまんといる事だろう。

 「あー、後もう一つあったんだ」
 「オイオイ、まだあんのかい?気まぐれで聞いたんだがな〜」
 「とは言ってもこれは考察どころか、思い付きの様なモノですがね」

 アザゼルに応えてから、士郎は改めてアーシア側に翻る。

 「アーシアは、過剰回復と言う言葉を聞いた事があるかい?」
 「い、いえ、初耳です。もしかして何時か学校のテストで出ますか?」
 「恐らくは出ないだろうから安心してくれていい。過剰回復とはね、文字通り対象者の体の一部分に過剰な回復エネルギーを送り込むことによって、軽ければ神経の誤作動重ければ肉体組織を破壊することが出来る。いわば遠回りの攻撃方法だよ」

 説明相手がアーシアだからなのか、先程から声音が何時もよりも3割増しに優しい。

 「薬も多量であれば毒となり、毒も少量であれば薬となると言う事でしょうか?」
 「少し違うけど間違ってもいないな。と言うか、随分と難しい言葉を知ってるじゃないか。偉いぞ、アーシア」

 言い終えると同時に士郎は、アーシアの頭を優しく撫でる。

 「ふぁぁぁあ!きょ、恐縮ですぅぅぅう!」

 士郎の撫で方が余程気持ちいいのか、気の抜け
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