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英雄は誰がために立つ
Life7 特訓、開始!
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 語尾を強調して士郎に眼を向けるアザゼル。

 「当然でしょう。貴方の昨日のあらぬ言葉のせいで、俺は一晩中ゼノヴィアに追いかけられっぱなしだったんですから」

 アザゼルの言葉に動じるどころか、睨み返す士郎。
 昨夜のハプニングの件で、珍しく根に持った士郎が神の子を見張る者(グリゴリ)に、アザゼルの御調子ぶりに抗議の連絡をしたのだ。
 連絡を受けたシェムハザも、アザゼルの悪乗りぶりなどの短所には頭を痛めていたので、何も言い返せずに受け止めたのだ。
 しかし、当のアザゼルは不満そうだった。

 「確かに、昨日の件については反省してるがよぉ。アレは全面的に俺のせいかぁ?」
 「当然でしょう!あの後俺が、どれほど苦労してゼノヴィアを説得したと思っているんですか!?」

 あくまでも自分の非を認めない気かと言わんばかりに、士郎はアザゼルの態度を非難する。

 「いえ、士郎君。決して庇うワケではありませんが、その件は士郎君自身にもかなりの原因があると思いますわよ?」

 そこに、正直嫌々ながらも口を挿んでくる朱乃。
 彼女の言葉にゼノヴィアは、一瞬体をピクリと震わす。

 「如何いう事だ?」
 「如何いう事も何も、士郎君が見境なく女性としょっちゅうジゴロってるから、ゼノヴィアさんは不安に感じられたのですわ」

 朱乃の言葉に同意する様に、ゼノヴィアは深く頷く。

 「ジゴロってるとか、天然の女誑しとか時折言われてるが、その前に言いたい事がある」
 『?』
 「何故そんな“勘違い”をよくされるのかは判らないが、俺は女性を誑かしたことなんて一度たりとも無い!そもそも、俺なんかに惚れるモノ好きがいるわけないだろ!」

 謙遜でも嫌味でもなく、素で言い切る士郎。
 この事にゼノヴィアが、キッと士郎を睨んで憤激に駆られながら立ち上がり、右手を宙に広げた。

 「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ!我が声に耳を傾け――――」
 「待った、ゼノヴィア!」

 ゼノヴィアが、瞬時に何をしようとしたのか理解した祐斗は、後ろから羽交い絞めするように彼女を止めた。

 「離せ、木場!」
 「放したら如何するつもりなんだい!?」
 「決まっている!聖剣デュランダルで士郎さんを切り殺してから私も死ぬんだッ!」
 「気持ちは判らないでもないけど、落ち着いて!そんな事しても、誰も喜ばないよ!」

 祐斗の言葉に納得はし切れていないが、少し冷静さを取り戻したゼノヴィアは、目尻に涙をため痕見ながら士郎を睨む。そして――――。

 「うわぁあああああああんん!ア―――シアァアアァアアアアアア!!?」
 「あっ、えっと、その、よしよしです」

 何かあればすぐに、アーシアの胸に顔を埋めて
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