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英雄は誰がために立つ
Life7 特訓、開始!
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 『―――、―――――か』

 え?

 『――を、――――――』

 何なの?

 『―――、―っ――――』

 !?―――――


 −Interlude−


 「――――何なのよっ!」

 そこはグレモリー城の豪華絢爛な一室、第一次期当主候補のリアス・グレモリーの私室だった。
 彼女は起き上がると同時に大声で叫んだ。

 「・・・・・・・・・・・・夢・・・・・・また、この夢なのね」

 リアスは自分の頭を押さえながら項垂れる。
 毎日では無く時折ではあるモノの、聖書に記されし三大陣営の会談襲撃の日を境に見るようになった、内容のよく解らない夢だった。
 夢の中でも自分の存在を感じながら、自分とは対を成すように光の向こう側から頭に直接響かせる“声”が聞こえてくるのだ。

 そんな風にボーっとしていると、出入り口であるドアの向こう側からノック音が聞こえた。

 『お嬢様、どうかなさいましたか?』

 よく解らない夢に憤りを感じて叫んだ声にひかれたようで、給仕がリアスの身を案じて訪ねて来た様だ。

 「い、いえ、大丈夫よ。ちょっとおかしな夢を見ただけだから」
 『そうでしたか。ですが気分がすぐれない様でしたら如何か、お声かけ下さい』
 「ええ、ありがとう」

 リアスの確認を取り、ドアの向こう側に居るであろう給仕は、自らの仕事に戻るためドアの前から離れた。
 給仕の気配を感じ取れなくなった後にリアスはため息をつく。
 理由不明な夢に悩まされるようになっても、起きた時にはいつも近くに一誠の存在が自分を安心させてくれていた。
 しかし、今はいない。
 居ないモノはいないという事を自分に言い聞かせている処で、ふと時計を見ると、そろそろ朝食にはいい時間帯だった。

 「そろそろ着替えて行きましょう」

 その言葉と共にベットを離れたリアスだった。


 −Interlude−


 朝食を食べ終わったリアス達は、昨夜のアザゼルの指示通りにジャージ姿で庭に集まっていた。士郎だけは平常通りの赤と黒を基調とした服装だが。
 因みに、士郎は何とかゼノヴィアの説得に成功した上でこの場に来ていた。
 ゼノヴィアとしては未だに疑っている様だが、何一つとして証拠も無いので信じる他なかった。

 「遅いわね?」

 今此処に居ないのは、集合を掛けた本人であるアザゼルだけだった。
 かれこれ10分以上待っているが、未だに姿を現さない。

 「ワリィ、待たせたな」

 そこで、普段とは打って変わって本当に申し訳なさそうにしているアザゼルが来た。

 「本当っすよ!何してたんですか?」
 「シェムハザの小言を聞いてたんだよ。誰かさんの苦情のおかげで、な!」


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