第八十話
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oBの会場である《総督府》へと入ろうとする。
「今日もフられちゃった! じゃ、シノンちゃんにショウキくん、そこの黒髪の子もまた、大会でね!」
「にゃ〜!」などと何やら叫び声をあげながら、リーベは自分たちを置いて《総督府》へと入っていく。……結局、彼女は何者なのかは分からない。今回の死銃事件と何か関係があるのか、この予選で何かを掴めればいいのだが……と、踊り子の後ろ姿を見送りつつ思索に耽っていると、背後から安心したような吐息と、気を引き締めるような気配を感じた。
「……安心するのはまだ早いわね。あんたもあの踊り子のツレなわけ?」
……確認してみれば。先程まではリーベに向けられていた、突き刺さるような眼光が、今度は俺に向けられていた。それも当然だ。理由はともかく、彼女が危険視していたリーベと俺は共にいたのだから。
「ま、待った待った! この人、知り合いなんだ!」
「……あんたの?」
どう答えるか迷っていると、ずっとシノンと呼ばれた少女に守られるようにしていた黒髪が、間に入って俺と彼女の仲裁に入る。シノンと呼ばれた少女も驚いたようにしていたが、その驚きようは俺の遥かに下回っていただろう。
何故なら、俺のこの世界で知り合いであろう人物は、たった1人しかいないのだから。
「ああ、一緒にコンバートしてきた友達で――」
キリトがシノンと呼ばれた少女に説明しながら、背後の俺にあるカードを見せてきた。そのカードをよく見てみれば、どうやらプレイヤーの情報が書いてあるカードらしく。プレイヤーネームは、馴染み深い《キリト》という名前のまま。性別はもちろんMale……男。
――どうやら本当に、目の前の少女は俺がよく知るキリトらしく。……お互いに、アバターに恵まれない結果となっていたらしい。
「ふーん……それより、早く申し込みしちゃわないと!」
「あっ……!」
まだ多少こちらを疑っているような視線を感じるものの、キリトの説明のおかげで何とか、今すぐ撃ち殺されるような状態ではなくなったらしい。急いでここに来たということは、もちろんキリトもシノンと呼ばれた少女も、目的はBoBへの参加。参加募集時間ギリギリだったようで、手早く――キリトの手は一瞬止まったが――受付を済ませていく。
「Fブロック……」
「あなたも? 一緒に登録したからかしら、私もFブロックよ」
……どうやら、キリトと同じブロックにはならないで済んだらしく、そこだけは幸運だったか。同じ目的の者同士にもかかわらず、予選でどちらか落ちる、などという事態は笑えない。
「で、この子の友達らしいけど。名前は……ショウキって言ってたかしら?」
「ああ。そっちはシノン、だったか」
そうして安心していると、ま
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