邂逅
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イズさんと同等って言われてる剣士!?」
その呼び方はやめてほしいです。
「そ、そんなことよりもだ、クラネル君。君はここで何をしていたんだ?」
称号の話題を変えるべく、ここに来たときの疑問を伝える。
「あっ、そうだ、あの子……あれ?」
すると、クラネル君は誰かを探すように辺りをキョロキョロと見回した。
俺が来たときにはクラネル君とさっきのクズの二人だったと思うんだが……
「誰かいたのですか?」
「え、ええ。その筈なんですけど……」
おかしいなぁ、と呟きながら考え込むクラネル君。
まぁ、嘘がつけるようなタイプには見えないため、本当に誰かいたのだろう。
「では、私たちはこれで」
「はい、本当に、ありがとうございました」
「おう! 気を付けろよ、クラネル君」
お互いに挨拶を交わしてその場を別れる。
ちなみに、先程まで俺が持っていた紙袋は、倒れないようにきちんと建物の壁に立て掛けられていた。
……ほんと、あの一瞬で何したの俺
やがて『豊饒の女主人』へとたどり着くと、リューさんに紙袋を手渡した。
もう少し持っててもいいから、二人でまだまだ歩きたい気分なのだが、仕方ないので諦める。
「荷物持ち、ありがとうございました」
「大丈夫ですよ。むしろ、リューさんといられるなら本望です」
「だ、だから、平然と言わないでください」
少し怒ったような口調で言うリューさんの姿に、やっぱ可愛いなぁ、と笑いながらその一挙一動を眺めていた。
「あ、リューさん」
「……なんですか」
「俺が言うのもなんですが、チョーカー、すっごい似合ってますよ」
「っ、し、式!」
それでは、とダッシュで『豊饒の女主人』をあとにする。
今度、パディさんに頼んで、また『豊饒の女主人』に行けるようにしてもらおう。
前回はあの狼のせいで楽しめなかったしな。
で、だ。
ずいぶんと時間が経っていたようだった。やっぱり、楽しい時間というものは気付かずにすぐ過ぎるものだ。
それがリューさんとの時間なら尚更である。
「……で? それが言い訳ですか? 式」
「……マジですみません……」
「僕は言いましたよね? 夕食までには戻ってくるように、と。なに平気で破っているんですか」
はい、間に合いませんでした。
帰って早々、玄関を開けるとそこにいたのは静かな怒りを見せるパディさん(お玉装着ver)だった。
「今日は夕食抜きです」
「そ、そんな殺生な!?」
「いいわけ無用! 少し反省してください」
……食べてくればよかった
ちなみに、
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