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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
邂逅
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、今なら」

ありがとうございます、と、言われたお礼に心を弾ませ、飛び上がりたくなるのを抑えて、はいと一言だけなんとか返した。

「開けて見てください!」

「わ、分かりましたから、そんなに顔を近づけないでください。 は、恥ずかしいですから」

俺の期待のこもった目にたじろぎながらもリューさんは箱を開ける。

「チョーカー?」

「ぜひ! 似合うと思いますんで!」

箱を開け、中身のチョーカーを取り出すと、一通りそれを眺めてから首につけた。
首もとに翡翠のアクセント。よく似合っていらっしゃいます。

「ど、どうですか?」

「綺麗ですよ」

「っ! は、早く行きましょう。遅くなるのは困りますので」

少し速い歩調で前を行くリューさんを追って隣を歩く。
横顔見て言うのもなんだかま、ほんと、この人綺麗だよなぁ

顔は少し赤いが、いつもの表情へと戻りつつあるリューさんに、ちょっと残念だなとか思いながらついていく。
どうやら、近道として路地裏を使っているらしく、彼女はいつもそこを通るようだ。


「……ん? 今の声は……」

「? リューさん、どうかしましたか?」

路地裏をある程度進んだところでリューさんの足が止まった。

「……この先、ですね」

「あ、リューさん待ってください」

スタスタと歩いていくリューさんを慌てて追う。
いったいどうしたんですか、と声をかけようとしたその時だった

「止めなさい」

鋭い声が響いた。
リューさんが見下げた先。そこにいたのは白髪のナイフを構えたヒューマンの少年に、そのヒューマンに今にも斬りかかろうとする二十代くらいの男のヒューマン

戦闘に入る寸前ってとこだな

……てか、白髪の方、主人公じゃねぇか!!

二人の視線がリューさんに集まる。様子から見るに、主人公君の方はリューさんと面識があるのか?

「次から次へと……!? 今度は何だァ!?」

剣を構えたていた男が吠える。

「貴方が危害を加えようとしているその人は……彼は、私のかけがえのない同僚の伴侶となる方です。手を出すのは許しません」

ほうっ! そうなのか!
リューさんのかけがえのない同僚……ってことはシルさんかな?
なら俺が関与することではないな!頑張れよ、少年!

……主人公君が驚いているように見えるのだが、本当なんですよね?リューさん?

「どいつもこいつも、わけのわからねえことをっ……! ブッ殺されてえのかあッ、ああ!?」

「吠える「斬り殺すぞ、雑魚が」……」

「ッ!?」

「え、え!? いつの間に……」

考えるよりも早く、体が動いていた。

オラリオ
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