邂逅
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことを思い出した。
あれ? 仕事中は困るって言われたばっかじゃん?
分かる、分かるぞぉ!
これをもって女主人まで行って渡したときのリューさんの反応が!
きっとあれだ。あなたはどうしてそんなすぐに私の言葉を忘れられるんですか、バカなんですか、嫌いです。
とかいって冷たい眼差しで俺のことを睨むんだ!
……いや、逆にありかも…………いやいやいや!!何を考えてるんだ俺は!?
俺的には、もう、式は忘れんぼなんだから、とか言われるのが超嬉しいんだけれども、多分ないだろうから困ったぞこれは困った!
閑話休題
まぁ、こんな道中で悩んでいても仕方ない。
また次の機会を待つか、と肩を落として来た道を帰ろうと体を向ける。
「こんなところで何をしてるんですか? 式」
……おお、神よ。感謝(誰にかは俺自身も分からんが)いたします。
「今からリューさんに会いに行こうかと」
然り気無く箱を後ろ手に回し、挨拶。
白いブラウスと膝下まで丈のある若葉色のジャンパースカートにその上から長めのサロンエプロン……うむ、いつもの女主人の制服だ。
それを着こなす金髪に空色の瞳のエルフーーリューさん。
くっ! 眩しくて直視ができないぜ……!
「……何をしてるんですか」
「リューさんが可愛くて直視出来ません」
「そ、そう言うことを平然と言わないでください」
「失敬な! リューさんにしかやりませんよ、こんなこと!」
「……もう、いいです」
はぁ、とため息をついたリューさん。若干顔が赤く見えるが、果たしてこれが茜色の空のせいなのか、それともリューさん自身が赤くなっているのか判断が着かないが……後者ならどれ程嬉しいか!
「ところで、リューさんは買い物ですか?」
リューさんの片手に抱えられている大きな紙袋を指差す。
どうやら、夜の営業に向けての買い出しの途中とのことらしい。
……てことは営業前じゃん。さっきの俺の思考が全部無駄になった瞬間だった。
……まぁ、プレゼントは無駄にならんし、別にいいか
「持ちます」
「いえ、これは私の仕事ですし……」
「いいからいいから」
ほら、と手を出せば、リューさんは渋々といった様子でその大きな紙袋を俺に渡した。
意外に重いな
「すみません、助かります」
「いえいえ。このくらい平気ですから。 あ、そうだ」
リューさんの両手も空いたし、ちょうどいい。
後ろ手に回していた手をリューさんの方へと伸ばす。もちろん、その手の上にはあの箱だ。
「? これは?」
「プレゼントです。 営業前だし、いいですか?」
「……まぁ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ