邂逅
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Lv5の俺には、もうこの階層のモンスターは簡単に処理できる。
油断大敵とは良く言われるので、注意だけは怠っていないが、それでもなお物足りないのはかわりない。
魔石を回収し、皮や角などのドロップアイテムもバックパックに放り込んだ。
若干重くなった気もするが、まぁこのくらいなら問題はない。探索を続け、俺は続いて十七階層まで降りた。
まだ階層主であるゴライアスは出現していないようで、ここ『嘆きの大壁』にはミノタウロスやらバグベアーやらが我が物顔で闊歩している。
「……発散にはちょうどいいか」
ーーーーーーーーーー
「三八〇〇〇〇ヴァリスか……なかなか上々かな?」
十八階層の『リヴィアの街』には降りることなく、十七階層で探索を終えた俺は、ギルドでの魔石、及びドロップアイテムの換金を終え上機嫌だった。
どうしようか。とりあえずリューさんにぷれぜんとでも買おうか。
通りに軒を連ねるあちこちの店のショーウィンドウに飾られたアクセサリーや髪飾り等を眺め、いちいち足を止めてはそれがリューさんに似合うかどうかを想像し、そのあとのお礼の言葉を考えニヤニヤしていた。
第三者から見れば確実に変な人である。
いろいろ見て回った後、これだ!と思って手に取ったのは翡翠色のチョーカーであった。
これなら普段から着けていても問題はないはずだ。
少々値段は張ったが、この程度、リューさんのためならば問題はない。
今のところ、『豊饒の女主人』以外の人でリューさんが心を許してくれているのは俺だけだからな!
フハハハハハ!!なんという優越感!!
……なのになぜ届かないっ!この気持ち!
とかそんなことを考えつつ、俺は一度ホームへと帰還。
ダンジョン帰りであるため、土埃やらなんやらで汚れた体を洗わなければならない。
ていうか、女性に会いに行くのに汚れた身形で行くのは流石に失礼だろう。
バベルの方は簡易のシャワールームしかないがホームの方は風呂も完備(購入の際、俺が付け加えた)しているので、俺もこちらの方がよい。
「式、お帰りなさい」
「あ、パディさん。ちょっと出掛けてきますね」
「夕食までには戻った来てくださいね?」
了解っ、と一言だけいってホームを出る。
今気づいたのだが、ハーチェスさんにリリアさん。それにエイモンドさんは不在だった。
夕食まで二、三時間程度時間があるため、それなりにはゆっくりできそうだ。
目指すは西のメインストリート。『豊饒の女主人』
リューさんの仕事場だ。
手に持った包装された箱を見て思わず笑みがこぼれてしまう。
あかん、これ、周りからみたら完全に不審者や
と、あれこれとリューさんに関する想像を膨らませたところで前回の
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