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鎧虫戦記-バグレイダース-
第36話 全ての奇跡には必ず理由がある 
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「それなら来た瞬間にすればいいんじゃないのか?」

俺は軽く首を左右に振った。

「いや、ある程度条件があるんだ」
「そんなに使い勝手のいい技じゃないわけだな」

事前に威力を見ていたホークアイは
どうやら納得してくれたようだ。

「で、オレはどうすればいいんだ?」

それは簡単だ。もっとも、それは
お前が"鎧人"か"侵略虫"であった時の話だが。

「時間稼ぎだ」
「‥‥‥‥‥‥嘘だろォ‥‥」

ホークアイは何となく気付いていたのか
げんなりした顔で言った。
まぁ、当然の反応だろう。

「俺が能力発動の条件を満たすまでの数分の辛抱だ」
「いやいやいやいや」

ホークアイは慌てて両手と首を振った。
完全に困りはてている。

「ただの銃しか武器がない俺が時間を稼げなんて
 物理的に無理に決まってんだろ!!」

それを聞いた俺は少し黙り込んだ。
やはり、普通の人間であるコイツには
いくらなんでも荷が重すぎる。

「‥‥‥‥‥それでも」

それでも、この作戦しかないから。
動けない俺にはこれしか出来ないから。

「これ以上、俺の傷がひどくなったら
 あの技さえ使えなくなるから‥‥‥‥」

俺は歯を食いしばった。

「‥‥‥‥‥お前だけが頼りなんだ」

俺は身を震わせながらつぶやいた。
“俺は何の役にも立たない”。
そんな事ばかりが頭の中を廻り
無力感に駆られて、涙が出そうだった。

「‥‥‥‥クソッ‥‥‥」

俺は手の甲で目を擦った。

 ぽんっ

「‥‥‥‥‥‥‥?」

ホークアイが俺の頭に手を置いていた。

 ワシャワシャワシャ!

「うわっ!、ちょ、やめ、何すんだよ!!」

急に髪をワシャワシャといじられたので
俺はホークアイを怒鳴った。

「‥‥‥‥‥ハハッ、それだよ」

ホークアイは笑いながら言った。
俺には突然のこの一言の意味が分からなかった。
よって、ボケーっとした顔でいる事しか出来なかった。

「マリーは笑ってるのが一番みたいに
 怒ってる時のお前は一番お前らしいよ」

ホークアイは笑いながらそう言った。
少しの間、俺はボーっとしていたが
やがて、笑いがこぼれて来た。

「うるせぇよ」

俺は頭に置かれたホークアイの手を
除けながらつぶやいた。

「で、やってくれるのか?」

ホークアイは笑いながら答えた。

「ヘッ、ここまで来たらやってやるよ!!」

そして、銃を抜きながらすくっと立ち上がった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ダダダダダダダダッ!

ホークアイは岩だらけで不
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