第36話 全ての奇跡には必ず理由がある
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「それよりテメェ!」
ガツッ!
俺はホークアイの頬を掴んだ。
もうお分かりだろう、例のあの技である。
「俺の胸に勝手にうずまりやがって!!」
ギュウウウウウウウウウウッ!!
俺はホークアイの頬を思い切りつねった。
「いででででででッ!不可抗力だよ今回は!!」
あまりの痛みにホークアイは
大きく身を捩りながら叫んだ。
「俺だって女なんだからな!」
俺は彼の頬から手を離しながら吐き捨てた。
ホークアイはしばらく頬をさすりながら黙り込んだ。
そして、何かに気付いたかのように言った。
「‥‥‥‥‥お前、うずまれるほど胸な――――――――」
「もう一発されたいか?」
「いや、遠慮しときます」
俺の発した殺気にホークアイは
冷や汗まみれの笑顔で即答した。
「ところで‥‥‥‥‥」
ホークアイは周りを見回しながらつぶやいた。
「ここはどこなんだ?」
今更か。ようやくそれに気づいたのか。
もっと早くにそう思わなかったのか。
こんな真っ暗の中で最初に大声で
ツッコむべきところではないのか。
それこそツッコみ係であるお前の
独壇場なんじゃないのか。
「‥‥‥‥‥地下だよ」
俺はため息をつきながら答えた。
上手く空洞が開いていたおかげで
俺たちは今ここで生きている。
天井の岩の隙間から入り込む空気のおかげで
地上ほどではないにしろ呼吸は出来ている。
しばらくはここにいても大丈夫そうだ。
「マジか‥‥‥運よく抜けてたもんだな。
地下に水脈でもあってそれが枯れたのか?」
そんなピンポイントに枯れてるなんて幸運が
俺たちにあるのなら今すぐにそれを使って
画期的な方法でここを脱出したいものだが。
「んなわけないだろ」
俺はそう言って余計な事を考えるのを止めた。
ホークアイも言うことがなくなったのか急に静かになった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
俺は何も考えずにただ足元を眺めていた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
ホークアイもボーっとしているのだろうか。
ただ、何も言わず黙り込んでいる。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
しばらくの間、二人は黙り込んでいた。
しかし、突然ホークアイがその沈黙を破った。
「‥‥‥‥‥なぁ?」
と、俺に話しかけて来たのだ。
あまりにも急な転換だったので
俺は少々驚いて、返答をした。
「‥‥‥‥何だよ?」
どうせ、話すことがないから何か話そうぜ
みたいな会話を促すことでも言いたいんだろ。
「実はよ‥‥‥‥‥オレ、暗いトコ駄目なんだ」
「‥‥‥‥‥‥‥‥はぁッ!?」
ホークアイの一言に俺はまた驚かされた。
だが、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ