第四章
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「こうした国があります」
「そうなのですね」
「そうです、そして」
「この村に来て」
「まずはコンドルを御覧になられたいですよね」
「はい、コンドルは何処でしょうか」
明日香はここで空を見上げた、緑の丈の短い草とやや高い木々が目立つ中にあるインディオの昔ながらの趣が残る村の中にいつつ。
「それで」
「ここでも見られますが」
ファンはその高い青空を見上げつつ応えた、もう雲より高い場所にあるので空は一面晴れ渡った青いものだ。
「もっといい場所があります」
「そこは」
「村の外れです、そこに行きますか」
「案内してますか」
「勿論、では行きましょう」
ファンは明日香に笑顔で応えた、そしてだった。
二人はその村の外れ、高い村の中でもとりわけ高い場所に向かった。するとそこからだ。
上に舞い飛ぶコンドル達を見た、コンドル達は青い空の上を悠然とかつ雄々しく飛んでいる。明日香はそのコンドル達を見上げて恍惚として言った。
「神様の鳥ですね」
「インカのですね」
「そう思います」
「はい、コンドルは実際にです」
「インカ帝国ではですね」
「非常に重要な鳥でしたから」
「こうした高い場所で見ると」
アンデスのだ、さらに高くから見るとというのだ。
「違いますね」
「本当に神の鳥に思えますね」
「はい」
その通りだとだ、明日香は答えた。
「そう思います」
「そうですね、そして丁渡今日です」
「その今の時期だけ見られるものですね」
「この村のお祭りでして」
「インカのお祭りでしょうか」
「いえ、この村独自のお祭りです」
インカ帝国の名残があるものではなくというのだ。
「そうしたお祭りです」
「そのお祭りがですよね」
「凄く独特で。御覧になって下さい」
「わかりました、では村に戻って」
明日香はファンに笑顔で応えた、そしてだった。
村に戻るともう祭りの用意がはじまっていた。村の女達が着飾って。
それぞれ楽しそうに用意をしていた、その服はというと。
白いシャツの上にだ、赤や藤色、黄色に白にえんじ色に紺と様々な色の糸を使って刺繍を入れた詰襟のベストとベルトを着けている。シャツの袖と肩のところにも刺繍がある。
黒いロングスカートの真ん中から下も同じくそれぞれの色で何段にも刺繍を入れているs。しかもスカートは二枚穿きである。よく見れば刺繍は細かく鳥や花が描かれている。髪型はインディオのもので白い可愛らしい縁のある帽子を被っていて靴ではなくサンダルを履いている。
その彼女達が用意をしている、だが。
その中でだ、明日香は一風変わった面々を見た。
一見ではわからない、だが。
よく見ればだ、少女達の中にだ。
若い男達もいた、その女の服で。髪型までそうしている。明日
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