第五十一話
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改善し、さらに完璧では無いにしろ『貫』を会得し始めている。
まあ、まだまだではあるが、十分驚愕に値する。
「それじゃ次はキルアの番だね」
休息で疲れが取れた頃ゴンがそんな事を言った。
「ああ?俺は良いよ」
即、拒否された。
「何で?せっかくだからキルアもアオさんと対戦してみるといいよ。凄く勉強になることが有るから!」
「つか!俺の手はまだ完治してねーの!だから今は無理!」
「えー?」
なるほど、ドッジボールの時の怪我がまだ完治していないのか。
と言うか、あれは中々完治できるものではないだろう。
うーむ…
俺は音も無くキルアに近づくと素早く一瞬のうちに強引にキルアの両手を掴み上げた。
「いててててててっ…あれ?」
突然痛みが緩和…いや、感じなくなった事でキルアの表情が険しくなる。
「何をした…」
そう殺気を込めて見なくても良いじゃないか。
気づかれないように『クロックマスター』で両手の時間を少し強引に戻しただけですよ。
「両手、治ってると思うけど?」
俺のその言葉で直ぐにぐるぐる巻きにしていた包帯を外すと、信じられないのか二、三度拳を握っては開く。
「本当だっ!ありがとうアオさん」
キルアの手が治ったのを一番喜んだのはゴンで、キルアよりも先にお礼を言ってきた。
「治癒能力?…いや、そんな感じじゃなかった…」
キルアは今起こった現象に対して考察しているようだが、答えは出ていない。
「そんな事どうでもいいじゃん。そんな事より、両手も治ったんだからアオさんに組み手をしてもらおうよ」
どうでもよくなんてねー、と少々ゴンと言い合ってからも結局最後はゴンにより強引に話が進められしぶしぶながら俺と模擬戦をすることになった。
俺から距離を取って構えるキルア。
「最初に聞いておくけど。発、使ってもいい?」
『発』ね。つまり能力ありきの戦いを望んでいるのか。
「別に構わないよ」
「ちっ…その余裕そうな態度が気にいらねー」
うわぁ…ちょ、心にぐさっと来たよ?人に対してそんな事を言う物じゃない。
俺も肘を上げて構えるとそれが試合開始の合図だ。
相手の出方を待っていると突然その体が幾つも分身したかのように現れる。
分身の術と言うよりも、高速で移動しながら緩急をつける事によって相手に残像を見せる技術のようだ。
それが俺を囲むように狭まってきている。
しかし残念ながら俺には見えている(・・・・・)!
地面を蹴ると一瞬で移動しているキルアに併走。その背後から両腕を拘束して足を払いそのまま自身の体重をかけて転んだ勢いで地面にホールドする。
「なっ!」
そのまま間接
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