第五十一話
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
強引に俺の拘束から脱出して距離を取った。
「遠距離攻撃が無いのなら、今のように打ち上げられると一方的に攻められることになる。気をつけたほうが良い」
「う、うん。それは分っているんだけど…」
そうは言っても難しいか。
今度は俺の方からゴンへと攻め入る。
「木の葉旋風っ!」
地面を蹴っての回し蹴り、更にそこからの拳を織り交ぜた連撃。
「くっ!っ…」
ふむ、まだまだ俺のオーラをガードする流に対してロスが大きい。
バシッバシッと俺が繰り出す攻撃をガードするゴン。
ゴンの防御する時の癖や呼吸、間合いなんかをその攻防で読み取る。
「御神流『貫』!」
「え?…っが!」
ゴンの防御を抜けるように俺の繰り出した拳がゴンの腹部を襲う。
吹き飛ばされたゴンは空中で何とか身を捻り、両手足を地面に擦るように着地すると数メートル砂煙を舞い上げてスライドした後にようやく止まった。
「今の…一体何が!?」
「その問いに答えるのは簡単だけど、自分で気づかなきゃだめだ。だから、どんどんいくよ!」
俺のその宣言に戦意が萎えるどころか武者震いに体を振るわせるゴン。
「来いっ!」
それからゴンの攻撃を受け流し、反撃して、『貫』を使用して吹き飛ばすこと数回。
「……何となくだけど、わかった」
「ほう…」
「アオさんのそれって、俺の防御の癖を理解した上でその隙間を縫うように繰り出しているんだ」
この短時間でそこまで理解できるとは、流石にジンの息子か。
「…正解だ。では、それを踏まえてどうするか」
大地を蹴ってゴンに近づき拳を振るう。
『貫』を使用しての一撃。しかしそれはゴンの防御により不発に終わった。
さらに此方へ反撃してくるゴン。
その拳は俺のガードの隙を縫うように懐に入ってくる。それはまさしく『貫』だ。
俺はその右腕を急いで戻して右ひじで捌くとそのまま掴み投げ飛ばした。
飛ばされた先で着地をすると此方を見据えて今度はゴンが攻めに転じた。
拙いながらも俺のガードを突破しようと隙を伺うゴンの攻撃がだんだん鋭くなっていく。
この短時間で、一時はあわやと言った攻撃もあったのは十分すぎる成長だろう。…まあ、食らわなかったけど。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「そろそろ休憩にしよう。オーラ消費がそろそろ限界だろう」
「え?まだ行けるよ!」
戦闘しながら堅を維持する限界時間は今の時点でおよそ30分と言った所。ギリギリ及第点か。
「本番の殺し合いならばこんな所で根を上げる事は出来ないけれど、今は模擬戦だ。無茶をする所じゃない」
「分った」
しかし、末恐ろしいかな。この短時間で自分の防御の癖を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ