第三章
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「ですから」
「こうして、ですね」
「行ってみましたが」
「やはり空気がですか」
「薄くて道も大変で」
「そうです、チバイ村まで行こうと思うと」
「それだけで、ですね」
明日香は車の中で激しく揺れながらファンに応えた。
「大変ですね」
「そうなんです、ですからガイド料もです」
「高いのですね」
「その大変な分」
そうだというのだ。
「払ってもらいました」
「そうなのですね」
「はい、しかし」
「しかし?」
「前払いでしたよね」
ファンは運転しつつ明日香にその払い方について尋ねた。
「お金は」
「それが何か」
「いえ、日本人は金払いがいいですが」
それがというのだ。
「明坂さんは特にですね」
「お金の払いがいいと」
「そのことに驚きました、ではjその切符のよさに応える為にも」
楽しげに笑っての言葉だった。
「村まで安全運転でいきましょう」
「速くではなく」
「焦って行くと危ない道ですから」
チバイ村までの道はというのだ。
「そこはです」
「安全運転ですか」
「はい、それでいきましょう」
「わかりました、では」
「車で行くだけ速いです」
足や馬よりもというのだ。
「そのことを神に感謝して行きましょう」
「車の分だけですか」
「私も車を買ったのは最近です、我が国もその最近まで大変でした」
経済的にというのだ、ペルーは長い間破滅的なインフラに悩まされてきていたのだ。それでファンも車どころではなかったのだ。
「まだゲリラがいたりしますし」
「センデロ=ミソルノですね」
「そうです、まだ残ってますから」
「そうなんですね」
「ですがかなり落ち着いてきてです」
それで、というのだ。
「こうして私も車を持って運転出来る様になりました」
「そうですか」
「はい、それではです」
「このまま車で、ですね」
「村に行きましょう」
こうした話を車中で話しながらだった、ファンは明日香をチバイ村に案内した。そしてようやくその高い場所にある村に着くと。
明日香は最初にだ、村の空気を吸ってから言った。
「リマにいる時よりも」
「空気が薄いですよね」
「さらに」
「ご想像の通りでしたね」
「こうした場所に村があるのは」
その空気の薄さを実感しつつだ、明日香は言った。
「ペルーならではですね」
「高原国家ですうからね、我が国は」
「高い場所にある」
「はい、そうした国ですから」
だからだというのだ。
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