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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
え、えー・・・
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・もういい。お前に話に来たのは、私と対等に話してくれるものが三人しかいないからだ』
もう気にもしなくなったアジさんは、そう本題を切り出した。
「三人?一人はボクとして、他はだれなの?」
『ああ。一人はあの木の葉天狗だ』
「あー、確かにそう言うこと考えなさそう・・・」
求道丸。彼は相変わらずであるようだ。相手との立場なんてほとんど考えず、尊敬している相手であっても対等に話す。そう言う点ではアジさんにとっては貴重な相手であるように思えるが、だがしかし相談事には徹底的に向かない性格をしている。
「それで、もう一人は?というか、あの問題児三人組とか気にしなさそうな人いる気がするんだけど?」
『あの三人は、かえってどこか遠慮がある。私を殺そうと立ち向かってきたときにはああも遠慮などなかったというのにな・・・』
「多分、六十三代目との殺しが合いが印象に残ってるんだろうねー」
『なんにしても、だ。そう言うわけであの原典候補者や月の兎の末裔、キメラ、疑似神格の少女は遠慮がある。吸血鬼などはない方ではあるものの、あれは私に執事業を教える時のみだな』
「・・・名前、憶えてあげなよ」
『今努力しているところだ・・・』
アジさん、どうやら名前を覚えるのは苦手なようだ。これからの努力に期待しよう。
「それは、結構意外だなー・・・あ、それじゃあと一人は誰なの?」
『ウム、ちょうどそのことで相談に来た』
アジさんはそう言うと、ぐでっと床に横たわっている蚩尤に視線を合わせる。さすがにその状況でそのままの体制でいるのはあれだと思ったのか、体を起こして武器の上に座る。思いっきり刃丸出しのものもあるのにそれで大丈夫なのかと思わないでもないが、まあ大丈夫なのだろう。アジさんも同様に武器の上に腰かけてるし。
「それで?相談って何なの?この大ダラケる軍神でよければお聞きしますよ、“絶対悪”様」
『いや、そこまで重いことではない。ただちょっと分からないことがあるのだ』
「分からないこと?何それ、千の魔術なんていうあだ名まで持ってるアンタに分からないことが、おれっちに分かるはずないじゃん」
『私のそれは技術というもの全てだ。こういう面ではそう役に立つものではない』
「どんなの?」
『うむ。・・・その者と話すことに妙な高揚を覚え、動悸は高まる。気付かぬ内にそのものを探してしまうほどなのだ』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
かなり驚いている。あの蚩尤が、さっきまであんな態度だった蚩尤が背筋を伸ばしてしまう程度には驚いている。
「え、ちょ、マジで?その症状マジ?」
『事実だが』
「じゃあ、それが何なのか分からない、ってのも?」
『事実だ。そもそも、相談に来たのに嘘をつく理由があるまい』
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