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ドリトル先生と森の狼達
第一幕その九

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「日本人はお寿司も食べられて幸せですね」
「そうですね、私も幸せです」
「日笠さんもですか」
「確かに奈良県にご一緒出来ないことは残念ですが」
 それでもというのです。
「お昼ご一緒出来るので」
「それで、ですね」
「幸せです、では機会があれば」
 その時にというのです。
「ご一緒しましょう、旅行も」
「はい、その時は」
 ここではこうしたことをお話するのでした、そして実際にお昼にお寿司を一緒に食べる約束もしました。奈良に行くことと一緒に。
 日笠さんが帰ってから後で動物の皆が研究室に来ました、そして先生から日笠さんとのやり取りの一部始終を聞いてです。
 皆は先生にです、こう言いました。
「うん、相変わらずなところもあるけれど」
「お昼のことは合格ね」
「いい一歩よ」
「先生にしては頑張ったね」
「?僕は頑張ったのかな」
 先生は皆の言葉にきょとんとなって応えました。
「そうなのかな」
「先生は気付いていなくてもね」
「よくやったよ」
「気付かないのは困ってるけれど」
「それでもね」
「お昼のお寿司楽しんできてね」
「日笠さんと二人でね」
 動物の皆も笑顔で、です。先生の背中を押しました。先生がこのことも気付いていないことを承知のうえで。
 それで、です。奈良のこともお話するのでした。
「それで奈良だね」
「奈良県に行くんだね、今度は」
「やっぱり私達も一緒よね」
「皆で行くんだね」
「うん、そうだよ」
 先生は皆に明るく答えました。
「皆が行きたいのならね」
「行くよ、絶対に」
「私達もこの時を待っていたのよ」
「皆で旅行に行く時をね」
「久し振りのね」
 まさにという返事でした。
「それじゃあね」
「行こう、先生」
「その奈良県に」
「皆でね」
「丁渡奈良のお話もしていたしね」
「そうだね、ただ奈良県はね」  
 先生は皆にあらためて奈良県のことをお話しました。
「北と南で違うからね」
「ああ、北は街が多い盆地で」
「南は山ばかりで人も少ないんだよね」
「とにかく森が深くて」
「もう凄いところなんだよね」
「そうだよ、だから生態系を調べにも行くけれど」
 それでもだというのです。
「蝮や熊もいるから注意してね」
「日本の熊は小さくてもなんだね」
 ジップが言いました。
「熊は熊だね」
「あと猿もいるけれど」
「ああ、ニホンザルだね」 
 今度はチーチーが言いました。
「ニホンザルは気性が荒い子が多いから」
「それも注意して。猪もね」
「結構いるんだね」
 猪の親戚である豚のガブガブが反応しました。
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