九校戦編〈下〉
九校戦六日目(4)×女子アイス・ピラーズ・ブレイク決勝戦深雪対雫
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た。
「CADの同時操作!?サイオンを完全に制御出来なければ、干渉し合って両方使えなくなるぞ!」
「実際一真様が使った例があるのですが、深雪様はまだ同時操作を会得してません」
「そうね。それに深雪様は、それを会得しなくとも大丈夫かと思われます」
摩利と蒼太に沙紀が言っていたが、一回だけ同時操作をしたのを思い出したかのように言っていた。
「(二つのCADの同時操作というのは、お兄様の差し金かしらね。雫はそれを会得したようだけど、威力はどうなのかしら?)」
複数のデバイスを同時操作出来る技術は、一真が出来る技でもあるが難度の高いテクニックである。まあ、一真が出来るなら深雪も出来るはずだが深雪は深雪で同時操作しなくとも、一つのデバイスで複数操作できるようにしてある。魔法暴走させないが、複数デバイスを使う事はあまりない。雫は深雪の目の前で、二つ目のデバイスを手に取って想子信号波の混信を起こす事なく、二つ目のデバイス起動処理を完了。深雪の魔法が止まった事で、雫の新たな魔法が氷柱に襲い掛かる。
「『フォノンメーザー』っ!?」
「しかも一本だけでは無さそうだぞ!一気に三本も貫通した威力だぞ!?」
真由美が悲鳴を上げたら、摩利は一本ではなく一気に三本を貫通破壊させたので驚いていた。深雪の陣地には、最前列一本から後ろにある二本の氷柱ごと貫通させてから、白い蒸気が上がっている。今までの三試合は、相手選手に触れさせもしなかったという魔法的な意味合いで、深雪の氷柱が初めてまともに攻撃を受けダメージを負った。
「お、深雪の氷柱が初めて倒れたぞ!」
「雫が使える『フォノンメーザー』ですね。でも貫通威力があるというのは、いつも使うのよりも違う気がする」
「貫通があるという事は、拳銃形態のデバイスは一真特注で調整したのかもしれないね」
「全くだぜ、相変わらず一真のビックリ箱はまだまだありそうな気がするな」
振動系魔法『フォノンメーザー』は、超音波の振動数を上げて量子化した熱線とする高等魔法。一真が深雪ぐらいの強敵を倒す為に、雫に授けた作戦ではある。控え室で見ていた俺は、深雪がやられそうだとは思っていない。結局高校生の大会だと、この程度であれば深雪を凌駕する事は出来ないと予測していた。動揺は一瞬だったが、雫が新たな魔法を繰り出したのに合せて、深雪も魔法を切り換えていた。
氷柱から上がる蒸気が止まり、熱線化した超音波射撃を遮断した訳ではない『フォノンメーザー』による加熱を上回る冷却が作用し始めていた。深雪の陣地が白い霧に覆われたが、その霧が雫の陣地まで押し寄せていく。雫は『情報強化』の干渉力を上げたが、深雪にはお見通しだった。
「(残念だけど、甘い
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