7部分:第七章
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「そう言ってくれるか」
「何なら協力するのだが?」
「それはいい」
やはりそれは受けなかった。
「自分でやる。だから」
「ここで一旦お別れか」
「また学校で会おう」
一旦友と別れることにした幸次郎だった。
「少しな。調べてくる」
「いや、待て」
しかしここで達哉は幸次郎に言ってきた。
「確かに僕は協力はしない」
「それは何度も言うが」
「しかしだ」
この前置きからまた彼に声をかける。
「共にいてもいいか?今」
「共にか」
「そうだ。見てみたくなった」
口元を微かに綻ばせての言葉だった。
「君と共にな。いいか」
「何もしないぞ」
幸次郎は彼の言葉を聞いて目を向けて告げた。
「僕は君に対して」
「僕も君に対してそうする」
二人の言葉は完全に同じものになっていた。つまり相互不干渉ということだ。
「それでいいか?だから」
「共にいたいのか」
「見てみたい」
また言う達哉だった。
「君が向かうその姿をね」
「物好きな話だ」
「それは否定しないさ」
自分でそれを言ってみせた。
「それもな。否定しない」
「そうか。では勝手にすればいい」
「そうさせてもらう。ではな」
「うむ」
こうして達哉は幸次郎の後ろにつき彼をそこから見ることになった。しかし彼は何も言わない。物陰に隠れ彼女を待つ幸次郎の後ろに控えているだけだった。
やがて彼女が来た。今度は青い着物だった。やはり白い日笠をさしている。
「来たな」
「ああ」
幸次郎は後ろから来た達哉の言葉に対して頷いた。二人共小声である。
「遂にな」
「さて、どうする?」
今度は幸次郎に対して問うた。
「ここからが肝心だと思うが」
「わかっている」
前を見たまま彼の言葉に頷いた。
「それはな」
「ではどうするつもりだ?」
「行く」
丁度ここで彼女は二人の前を通り過ぎた。二人に気付いた様子は全くない。
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