一回戦の対戦相手
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現実世界での職業柄、気になって聞いてみると男子生徒は覇気のない声で答える。……体調は大丈夫か。ということはアレかな?
「もしかして聖杯戦争に参加したことが怖くなったのか?」
「……………うん。それもある」
一つ思い当たったことを聞いてみると、男子生徒は少し黙ってから肯定をした。
この聖杯戦争に遊び感覚で参加しているマスターというのは実は結構多い。一度でも負ければ死、というルールもよくある脅し文句だと本気にしていないマスターが参加者の大半を占めている。
ここにいる男子生徒も、最初はそんな遊び感覚で参加したマスターだったのだろうが、今になって聖杯戦争が正真正銘の殺し合いだと理解して怯えているのだろう。
まあ、僕も半分遊び感覚で参加したものだし、いまだに聖杯戦争が殺し合いだと気づいていないマスターも多いから、彼はまだマシな方だろう。
「えーと、君さ……?」
「北斗。青野北斗だよ」
「そうか。僕の名前は平和時行。それで北斗、あのさ……」
「あら? 他のマスターの相談を聞いてあげるなんて随分と余裕ね?」
男子生徒、北斗に何かを言おうとしたその時、隣から聞き覚えのある声が聞こえてきた。声をかけてきたのは、僕と年が同じくらいで艶のある黒髪をツインテールにした赤い服を着た女性だった。
『何この女? 私の真似なんかして髪をツインテールにしちゃってさ』
隣にやって来た女性を見てアヴェンジャーが何かを言う。いや、ちょっと黙って。彼女は君の真似なんかしてないからね?
「遠坂凛……?」
「ええ、そうよ。久しぶりね、平和時行君?」
僕が名前を言うと赤い服の女性、遠坂凛は笑みを浮かべた。
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