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僕のサーヴァントは魔力が「EX」です。
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を滅ぼされた怨みをはらす為に、貴船明神の荒御霊から妖術を授かり、妖魔の軍勢を率いて朝廷に戦いを挑んだとされる女性。

 瀧夜叉姫に妖術を授けた貴船明神の荒御霊は「丑の刻参り」で有名な呪詛神で、そこに彼女自身のエピソードが加われば確かに「復讐者」のクラスを得ても不思議ではないかもしれない。

「つまり私は真っ当な英霊じゃなくて、過去の悪行を人々に恐れられてその末に崇められた祟り神みたいな存在……『反英雄』ってやつなの。どう? 驚いた?」

「それはまあ、一応……」

 アヴェンジャーの言葉に僕は正直に答えた。「復讐者」なんてクラスを得ているのだから何かあるとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。

「それでその……マスターは……これから私と一緒に戦ってくれる?」

「ん? それは当然だろ?」

 珍しく気弱な表情となるアヴェンジャーだが一体どうしたんだ?

「確かにアヴェンジャーの真名には驚いたけど、君は僕のサーヴァントなんだから一緒に戦っていくのは当然だろ?」

「っ!? それって本当? ホントに本当?」

 僕の言葉にアヴェンジャーは驚いた顔になって詰め寄ってきた。何だ? 一体何に驚いているんだ?

「ああ、本当だ」

「……! ありがとうマスター! 嬉しい!」

「うわっ!?」

 突然僕にアヴェンジャーが抱きついてきたが一体何だ? 何がそんなに嬉しいんだ? ……というか胸! アヴェンジャーの! 背丈とはアンバランスに大きな胸が当たって……!

「そ、それより! まだ聞きたいことがあるんだ。君の魔力の事なんだけど」

「え? ああ、その事」

 僕が聞くとアヴェンジャーは体を離して説明してくれた。……少し残念だと思ったのは内緒だ。

「私の魔力のランクはスキルによるものなの。私は『妖術』っていうスキルを持っていて、妖術というのは『呪術』のスキルに『魔術』のスキルの一面を持たせたもので、簡単に言えば私は周囲の怨念や呪いの感情を自分の魔力に変えることができるの。そしてこの会場には、今までの聖杯戦争で負けたマスターやサーヴァントの怨念が残っていて、それのお陰で本来だったらBランクの私の魔力もEXにまで強化されているってわけ」

「なるほど」

 ようやくアヴェンジャーの魔力の高さに合点がいった。……でもBランクがEXランクにまで強化かされてるって、それって凄まじく強い怨念がこの会場に渦巻いているってことか?

 そう考えたのはアヴェンジャーも同じらしく彼女は真剣な表情となってこちらを見てきた。

「……マスター、気をつけてね。もしかしたらこの聖杯戦争、一筋縄じゃいかないかもしれない」
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