聖杯戦争予選
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ハハハハハハハハハハハハッ!』
延々と聞こえてくる笑い声。この声の主って凄い肺活量してるな?
……というかそろそろこの声の主に怒ってもいいかな? 僕?
『い、いや失礼をした。まさか予選を最短で突破した理由がそれだとは予想外だったのでな……クッ。本来は予選を突破するにはもう一つの試練を受けてもらわないとならないのだが、最初に記憶を取り戻した功績と先程の……フフッ、興味深い話に免じてそれは免除しよう』
「それはどうも」
予選を突破して月の聖杯戦争に参加する権利を得たのに全然嬉しくない。……というかまだ笑い足りないのか?
『どうやら君は孤独だが自ら孤高を望んでいるわけではないようだな。そんな君に相応しいサーヴァントが一人いる』
声の主がそう言うと、周囲からガラスが崩れる甲高い音が響き渡り、それと同時に目の前が光って光の中に一人の少女が現れる。
少女は僕より頭一つ分くらい背丈が低くて、浅黒い肌をしており、銀色にも見える白髪を頭の左右で縛っていた。服装を見れば裾がとても短い黒い着物を着ていて、愛嬌のある笑顔を僕に向けており、少女の隣には両手に二本の刀を持った骸骨の人形が宙に浮かんでいる。
この少女が僕のサーヴァントか。
サーヴァント。
それはこの電脳世界SE.RA.PHが過去の英雄や偉人達のデータから構築した電子生命体。言わば現代に甦った英雄で、聖杯戦争に参加した参加者はそれぞれ一人ずつこのサーヴァントを与えられる。
霊子ハッカー達はSE.RA.PHに与えられたサーヴァントとチームを組んで、他の霊子ハッカーとサーヴァントのチームと最後の一組になるまで戦い合う。それがこの聖杯戦争のルールだ。
サーヴァントは見かけは普通の人間と同じだが、同じなのは外見だけで、その戦闘能力は通常の人間とは次元が違う。その為に自然と戦いの前線に立って戦うのはサーヴァントの役目となる。
「君が僕のサーヴァント?」
「うん。そうだよ。私は『アヴェンジャー』。これからよろしくね、マスター」
僕が目の前の少女に確認をすると、サーヴァントの少女は可愛らしい笑みを深めて挨拶をしてくれたのだが……アヴェンジャー?
サーヴァントは自身の情報を隠すため、自分の戦闘スタイルによって定められたクラス名を名乗る。
しかし僕が知る限りサーヴァントが名乗るクラス名は「セイバー(剣士)」、「アーチャー(弓兵)」、「ランサー(槍兵)」、「ライダー(騎乗兵)」、「キャスター(魔術師)」、「アサシン(暗殺者)」、「バーサーカー(狂戦士)」の七つだけ……のはず。
アヴェンジャー……「復讐者」のクラス名なんて聞いたことがないぞ?
「ああ、私は例外。いわゆる『エクストラクラス』ってやつな
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