第7話:狙われたラブホテル
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ここ数日、南山町でレイプ事件が多発していた。
しかし、その犯行の加害者と被害者は南山町に唯一ある、新しくできたラブホテルに入ったカップルであり、加害者の男が逃走しながら他の女性を襲うといった例もあった。
調査を命じられたアンヌとツヨシは、私服に着替え、南山町のラブホテルの前に来た。
とりあえず不倫中の年の差カップルの格好をしたアンヌとツヨシが同時に入ったが、すぐに…、
「アンヌ隊員、俺が先に進みますよ!」
「ツヨシ君、気をつけてね!」
「わかりました。危険な任務に女の先輩を先に進めさせられませんよ!」
「あら…。」
随分と若い後輩から女性扱いを受け、アンヌは顔を赤らめた。
ツヨシがラブホテルの中のある部屋に独りで入った瞬間!
「ぎゃあああ!」
「ツヨシ君っ!?」
アンヌがツヨシの入った部屋のドアをそっと開けた。
すると、中は畳6畳間で真ん中にちゃぶ台があり、奥に魚の形をした宇宙人が座っていた。
「誰、あなた!」
アンヌがハンドバッグに隠していたウルトラピストルを取り出し、宇宙人に向けて構えた。
「まあ座りたまえ、アンヌ君、否、ウルトラマチュア君。」
「な、何故、私の正体を…?」
アンヌは不思議がりながら銃口を宇宙人に向けた。
「いきなり初対面の宇宙人に向かって銃口を向けるなんて恐ろしいね、私は話し合いに来たんだよ!」
「じゃあ、ツヨシ君をどこに隠したの?」
「彼か、彼のことも含めて先ずは話し合おうか。」
と、話し合いを勧める宇宙人に促され、アンヌはちゃぶ台の前に座った。ラブホテルに入るために着替えた女性用スーツのスカートをはだけさせないように女座りをした。
「あなたの目的は何?」
眉間にしわを寄せたアンヌが詰問した。
「まあまあ、穏やかに、私はエトロン星人、私は宇宙ディレクターだよ。」
「宇宙ディレクター?」
アンヌは首を傾げた。
エトロン星人はさらに話を続けた。
「私は宇宙中の色々な出来事を映像に収めるのが仕事さ。特に君、ウルトラマチュア君が私のセンスにグッと来る。だから私は君を映像に収めたい!」
エトロン星人はワクワクしながら話すが、アンヌからしたら怪しい宇宙人以外の何者でもない。
「いきなりそんな話をされて信じる訳ないでしょ!それよりツヨシ君はどこ?彼を返して!」
「彼には私の仕事を手伝って貰うよ。」
「どういう意味?」
アンヌが再び首を傾け、エトロン星人を睨みつけた。
「彼は私が演出する映像の助演男優として出てもらうよ!」
「はァ?男優ですって?」
「そうだよ。そしてアンヌ君、君にも出てもらうよ!」
「あなたみたいな怪しい宇宙人のテレビがビデオの仕事に誰が出るもんですか!ツヨシ君を返して!」
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