マブラヴ
1010話
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隊の前に立ち、チェントは大声で叫ぶ。
「聞け! これからアンバール基地解放作戦を行う。既に前もって連絡してあったが、今回の作戦にはシャドウミラー代表のアクセル・アルマー殿が協力してくれる事になった!」
その言葉に、軍人達は小さくざわめきながら俺の方へと視線を向けてくる。
それでも大騒ぎにならずにざわめきだけで済んでいる辺り、やはり精鋭を揃えている証拠なんだろう。
チェントに促されるようにして、1歩前に出て口を開く。
「アクセル・アルマーだ。シャドウミラーの代表をしている。今回俺がやるのは、お前達をアンバール基地の近くまで転移させ、その後直接基地の中まで転移させる事だ」
そう告げると、軍人達の中でも一番前にいた20代程の軍人が口を開く。
「何故直接アンバール基地に転移するのではなく、一旦基地の外に転移するのでしょうか?」
「転移とは言っているものの、その2つの転移は違う転移だからな。アンバール基地の近くにまで転移するのは、俺の機体に組み込まれている転移装置だ。長距離を転移するのならこの転移装置が最も効率的なんだが、この転移装置は光の繭のような転移フィールドを展開しなければならない分、非常に目立つ。それに比べてもう1つの転移方法は距離自体はそれ程稼げないが、転移するのに殆ど目立つことはない」
「そのもう1つの転移というのも、転移装置なのですか?」
なるほど、そこに目を付けるか。目敏いな。
軍人の言葉に首を横に振る。
「もう1つの転移は魔法だ」
魔法。その言葉に軍人達がざわめく。
だが、俺はそれを無視して言葉を続ける。
「知ってる者がどれだけいるのかは分からないが、魔法というのは実在している。俺達がこの世界に対して関係を持ったように、魔法のある世界とも交流があるからな。そこで得た魔法で転移する」
「……それは、自分達も魔法を習えば使えるようになる、という事でしょうか?」
これもまた、先程と同じ人物。随分と鋭いな。まぁ、俺達が魔法を使うというのは色々と有名だ。前々からその辺に興味を持っていて、この機会に聞いておこうというところなのだろう。
「そうだな。基本的には誰でも一定の魔法を習得する事は可能だ。だが運動然り、勉強然り、戦術機のパイロット然り。何にでも個人の才能というのはある通り、一定以上に関しては才能がものを言うようになるな」
「では……」
「少尉、そこまでだ」
更にまだ何か聞きたそうだった軍人……少尉へと、チェントが遮るように告げる。
「貴様が魔法に関して興味があるのは知っているが、今必要なのは何だ? アンバール基地の解放作戦だというのを忘れるな。貴様の好奇心を満足させるのは構わないが、それは全て終わってからにしろ」
「すいません」
敬
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