6部分:第六章
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の価値もないものじゃ」
「天下を捨てられるというのか、貴方は」
「そうじゃ、貂蝉の前にな」
彼もまた呂布と同じ考えになっていたのだ。それをはっきりと言ってきた。
「栄耀栄華も財宝も。戦いの後の美酒でさえも」
董卓は戦場で生きてきた男だ。戦場で戦い、戦場で笑ってきた。戦塵と叫び声こそが彼の家であり勝ち鬨と勝利の美酒こそが最高の馳走であった。それが董卓という男であった。しかし今彼はそれを、他ならぬ彼自身を否定してきたのだ。自らの全てをである。
「そんなものはもう要らぬ。わしは貂蝉だけが全てなのだ」
「それはならぬ」
だが呂布も引き下がらない。
「貂蝉はわし以外の誰にも渡しはせぬ、何があろうともだ」
「何があろうともか」
董卓は彼の言葉に問う。
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