暁 〜小説投稿サイト〜
失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第二巻相当】
第二十三話「ある女生徒の挑戦」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き



 ゆらっと先生の身体が揺らめいたと思うと、次の瞬間には眼前に迫っていた。


 瞬きもしていないのに目で追えなかった。まるで次のシーンを切り取り貼り付けたかのようだ。


 息を詰める私に先生がニヤッと口元を歪めた。


「避けれない攻撃というものを見せてやろう」


 先生が掻き消える。


 そして――。


 私は数多の拳と足に囲まれた。


 拳、手刀、足刀。それらが私の周囲、三百六十度を取り囲んでいる。


 しかし、それらも一瞬。瞬きの間だった。


 シュバッ、というような音ともにそれらすべてが掻き消えた。


「え……あっ」


 虚をつかれたことに一瞬だけ呆けてしまった私は首筋に走った衝撃に我に返った。


 振り返れば右手を手刀の形にした先生が私の首筋を叩いたところだった。


「まだまだだな朱染」


“まだまだだな、萌香”


 苦笑しながらそう口にする先生の姿が一瞬だけ誰かと被って見えた。


 頭を振って気を取り直し、改めて先生と向き直る。


「この勝負は先生の勝ちでいいかな?」


「……ああ。あなたの勝ちだ」


 やはりこの先生になら……。


 私は改めて、自分の考えを肯定した。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ