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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
間話
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肩を竦めて笑うエイモンドさん。

だが、そんな様子を見て、俺は思う。
多分、今も無理して取り繕ってるんだろうなって。
エルフっていうのは、誇り高い種族だと聞いたことが幾度とある。

そんなエルフの彼が、邪険にされて悔しくないはずがないのだ。

魔法が使えない。ただそれだけ

「あ、じゃあ僕のファミリアに入らないかい?」

「……あなたは話を聞いていなかったのですか? 僕は、魔法が使えない、と」

「もちろん、聞いてたよ。で? それがどうかした?」

まるで気にしていないかのように言い切ったバルドル様を信じられないものを見る目で見るエイモンドさん。
そんな様子を見ていたハーチェスさんはバルドル様に同意とばかりに頷くと

「僕も初めは何処からも断られたよ。 田舎から出てきたばっかのヒューマンの、しかも二〇を越えた大人だったからね」

だから、この神様(ひと)はそういうのは気にしないよ、と付け足した。

「……まぁ、バルドル様って考えなしですから」

「ちょっ、式! 君は自分の主神に対してなんてことを言うんだい!」

「事実です」

「ウガァー!」

「ば、バルドル様、落ち着いて!」

こちらに掴み掛かろうとするバルドル様をハーチェスさんが羽交い締めにして押さえにかかる。
そんな騒がしい俺達を不思議なものを見る目で見ていたエイモンドさんは、次には、笑った。

「フッ、君達は、変わっているな」

「あなたほどでもないですよ」

「かもしれないね。何せ、僕は誰もが思わず振り返ってしまうほどの美しさを秘めてしまっているのだから。そんな僕が入るんだ。感謝したまえ」

くすんではいるものの、前髪をフサァッ、とかきあげたエイモンドさんはよろしくとばかりにハーチェスさんに手を伸ばす。
少々ポーズがウザイが、いい人には違いない。
俺とハーチェスさんは顔を見合わせて頷くと、よろしくとその手を握る。

「……それと、ありがとう」

小さく呟かれた声がホームの中に溶けて消える。
だが、俺達はしっかりとその言葉を耳に刻んだ。

「それじゃ、さっそく入団の儀式を始めようか!」



こうして、【バルドル・ファミリア】三人目の団員が加入することになる。
魔法の使えないエルフ、エイモンド・エイナルド。
彼の魔法が発言するのはこの三年後、Lv3となった時であった。

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