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ダンジョンに転生者が来るのは間違っているだろうか
間話
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、稼いだね〜」

「そうっすね。 いくらで換金できたんでしたっけ?」

「確か五二〇〇〇ヴァリスだったよ」

Lv1の冒険者五人パーティが一日に稼ぐのが、確か二五〇〇〇とかそれくらいだったはずだ。
破格とも言える程稼いではいるが、ハーチェスさんがそれほど驚いていないのにも理由はある。
最近はこれくらい稼ぐのが普通なのだ、うちは。

いわゆる金銭感覚の麻痺である。

帰りの途中で見つけた屋台で、ジャガ丸くんを二つ購入し、それを食べながら歩く。
うむ、やっぱり小豆クリーム味は美味いな

「……それ、美味しいの?」

「失礼な。なんなら食べてみますか?」

「あ、いや。遠慮しておくよ」

むぅ、せっかく仲間を作ろうかと思ったのに


「……ん?」

「どうしました?」

「いま、何か聞こえなかった?」

突然立ち止まったハーチェスさんはキョロキョロと辺りを見回した。

「聞こえませんでしたけど……何が聞こえたんですか?」

「こう、なんか、ォオォォォ……、みたいな呻き声」

なにそれ怖い

「なんちゅーホラーですかそれ。 で? どの辺りからですか?」

「この辺だと思うんだけど……」

俺達がいるのは、メインストリートから外れた小道。
複雑に道が繋がっているから、最初は苦労したものだ。

「確かこの辺だったと……」

声が聞こえたとおぼしき場所にハーチェスさんが足を踏み出した。
と、その時だった。ハーチェスさんの下、正確には足元。
曲がり角となっているため、見えていなかったのだが、何者かの手がハーチェスさんの足首を掴んだ

「うわあぁっ!?!?」

それに驚いて飛び上がろうとするハーチェスさんだが、足首が掴まれているためそれも叶わず、結果顔から地面へと激突した。

……なんだ今のは

とりあえず、事の元凶である手の主をどうにかしなくては、と曲がり角の向こうを覗きこむと、案の定、人が倒れていた。

「っつ〜……何なのいったい」

「あ、ハーチェスさん。なんか人が倒れてます」

額を打ったのか、真っ赤になったそれを涙目で擦るハーチェスさんは、俺の言葉にん?とそれを見る。

「大丈夫ですか?」

「……ぉぉ……」

どうやら、呻き声もこの人のようだ。
このままというのも何なので、ハーチェスさんが脇を抱えて起き上がらせた。

「……あ」

「ん? 式、どうしたの?」

ちょうど起き上がらせて、壁を背にして座る体勢になったその人を見て気付いた。
男性で、くすんではいるが、元はもっと艶があったであろう金髪に、女の人も羨ましがるような整った顔立ち。
そして特徴的なのは両側についた木の葉のように尖った耳

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