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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン28 鉄砲水ともう1つの『真紅』(後)
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んの試合を見に行こう。十代よりも、ここは夢想あたりに聞いてみるか。

「あ、もしもし夢想?」
『清明?今どこにいるの、って。もうとっくに試合始まってるよ、場所は………』





 夢想に教えられた場所にようやくたどり着いた時、すでにそこには何人もの観戦者が来ていた。半ば押しのけるようにして前に行くと、ずいぶん久しぶりに聞くカイザー、いやヘルカイザーの声がした。だが彼が従えていたのは、これまでおなじみだったサイバー・ドラゴンでもツインでもエンドでもない。見たこともない闇の機械龍が、まるで下にいるドラゴンに寄生しているかのような格好で合体して、というよりもむしろ取り込んでいた。

「終わりだ、吹雪!鎧黒竜−サイバー・ダーク・ドラゴンで真紅眼の闇竜を攻撃、フル・ダークネス・バースト!」
「うわあああああっっ!!」

 吹雪 LP0

「吹雪さんっ!」

 ダークネスマスクが、吹き飛んだ衝撃で吹雪さんの顔から外れる。あの力を解放しても、まだ今のカイザーには勝てなかったっていうのか。

「や、やあ、清明君……亮は、やはり強いよ……」
「喋ってないで、とりあえず医務室行きましょ。誰か、手ぇかして!」

 肩を貸してどうにか吹雪さんを立ち上がらせ、こちらに冷たい視線を送っていたヘルカイザーを見る。あの目つき、こうやって実際に見てはっきり分かった。何があったのか、細かいところまでは知らないしわからない。だけど、きっと何かものすごく大きな変化があったに違いない。

「さらばだ、吹雪。俺はもうしばらくこの島にいる、挑戦者がいるというのならば受けて立とう」

 そう一言だけ呟き、たった一人で去っていくヘルカイザー。誰も、その後ろ姿を止められなかった。
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