ターン28 鉄砲水ともう1つの『真紅』(後)
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、バルバロスUrのうち片方が手にした武器の狙いを静かにつけた。最初僕が盾だと思ったその武器の先端がかすかな機械音とともに開き、そこから2本の砲台がのぞく。
「バルバロスUrでストロング・ウィンドに攻撃、閃光烈破弾ー……まったく、物々しく出てきた割には早い退場だことで。しばらくそこで眠ってな、富野くん」
バルバロスUrの持つ砲台に少しずつ光が集まり、一定の力が溜まったところで目の眩むような光線が放たれる。その光を忌々しげに見つめてから軽くため息をつき、富野がこちらを向く。
「なあ、おい」
「僕?」
「ああ。俺は駄目だ、ここまでだ。せめて最後に一撃だけ入れてやるから、後はお前が何とかしろよ」
「え、ちょっと……」
それだけ言うと僕との話は終わりだとばかりに遊の方へ向き直り、ふてぶてしく笑って伏せカードに手をかける。遊が眉をひそめたのを見て若干満足げに、そのカードを発動させた。
「リバースカード、プライドの咆哮を発動!攻撃モンスターとの攻撃力の差のぶんだけライフを支払い、その数値プラス300だけストロング・ウィンドの攻撃力を上昇させる!」
「またそうやって粋がってー……ほんっとうに邪魔くさいったらありゃしないよー?」
「うるせえ!迎え撃て、ストロング・ウィンド!ストロング・ハリケーン!!」
富野 LP2000→1300
獣神機王バルバロスUr 攻4100(破壊)
→ストロング・ウィンド・ドラゴン 攻3400→4400
遊 LP2000→1700
「くっ……だけど、これで伏せカードも打ち止めだねー?バルバロスUrはまだ残ってるから、そっちで攻撃ー、閃光烈破弾ー」
戦闘ダメージを与えることのできない破壊の光が、ストロング・ウィンドの岩のように固く盛り上がった皮膚を貫通して背中についたままのニトロユニットごと撃ちぬく。一瞬の沈黙ののち、本体ではなくニトロユニットの方が大爆発を起こした。
獣神機王バルバロスUr 攻4100→ストロング・ウィンド・ドラゴン 攻3400(破壊)
「もう説明もいらないだろうけど、ニトロユニットを装備したモンスターが破壊された時、そのモンスターのもとの攻撃力ぶんのダメージがコントローラーに降りかかるんだよー」
「うおおおおっ!!」
富野 LP1300→0
富野は転生する前の命を生きていた時、いわゆるヒーローものが好きな少年だった。小学校に入る前は、毎日のように将来の夢はヒーローになることだと話していた。そんな彼もある程度大きくなり、テレビの中のヒーローがあくまでもテレビの中だけの存在なことに気づいてしまった。それがいいことなのかどうかは、彼にはわからない。ただ、そこに気がつかな
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