ターン28 鉄砲水ともう1つの『真紅』(後)
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「その攻撃、ちょっと待った!手札からバトルフェーダーの効果発動、このターンのバトルフェイズを終わりにして、このカードを特殊召喚する!」
バトルフェーダー 守0
突然現れた、第三のデュエリスト。その男の視線は僕ではなく、遊の方へ注がれていた。
「へぇー。転生者……とはちょっと違うけど、この子を庇うなんてことするんだー。職務違反じゃないのかなー、富野くん?」
「けっ。勘違いすんじゃねえ、こいつを潰すのは俺の仕事だ。なにせユーノの奴には負けっぱなしだからな、ここで器の方に消えられたら勝ち逃げされちまう」
「男のツンデレは誰得だよー?」
「野郎のぶりっ子も誰得だろうが」
遊の相手に慣れているのか、敵意を隠しもせず適当に軽口に返事を返す彼……富野。突然のことにしばらく言葉を失っていたけど、そんなこと言ってる場合じゃないことを思い出した。これが誰なのか、なんでユーノのことを知っているのか。余計に謎は深まったけど、とりあえず今この人は敵じゃない。なら、とことんまで利用するまでだ。
「(だからチャクチャルさん、喧嘩売らないでね)」
微妙に不機嫌そうな気配を感じて、先に釘を刺しておく。いつ死んでも構わないのと自殺志願者は別物なのだよ。するとその心の声が聞こえたかのようなタイミングの良さで、富野がこちらを向く。
『……わかっている。これもマスターのためだからな』
「よお、ユーノんとこの地縛神。話はあらかた知ってるぜ、何やってんだお前ら」
『それはむしろこちらの台詞だがな。なぜここまで来た?』
「何回も言わせんな恥ずかしい。気に食わねえが仕方ねえ、今回ばかりは助けてやんよ」
それだけ言ってまた遊の方に向き直る富野。デュエルディスクを構えなおし、吐き捨てるようにして言葉を放つ。
「つー訳でこのデュエル、俺も参戦させてもらうぜ」
「ふーん、それでー?僕のメリットはなにかな?」
「せっかくだ、GX風に行こうぜ……って言いたいところだがな、俺だって暇じゃねえから多少妥協させてもらうぜ。俺はライフ2000で初期手札3枚、バトルフェーダーを使ったから実質2枚でスタートするから、そのかわりお前も2000ライフ回復と手札3枚ドロー。もしお前が勝てば、俺も闇のデュエルのルールには抗えないからここで消え、お前がまだ生きていやがることを知る奴は誰もいなくなる。これはお前にとっても十分なメリットだと思うぜ?」
へえ、と言いたげな顔で富野を見る遊。数秒ほど思案気にしていたが、やがて口を開いた。
「本当なら不利な賭けはしない主義なんだけどねー、いいよー。君みたいな直情タイプが僕の意表をつけたんだから、それに敬意を表して乗ってあげようかなー」
軽くデュエルディスクを操作し、自身のライフ回
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